『ドクタースランプ』は人生の応援歌 パク・ヒョンシク×パク・シネが見せた最高のケミ
ジョンウとハヌルだけでなく、ハヌルの弟バダの長いスランプ期も終わりを迎えた。これまで何をやっても続かなかったバダが、叔父テソン(ヒョン・ボンシク)の店で働くようになり、初めてもらった給料で姉に食事を奢り、母ウォルソン(チャン・ヘジン)には高価なバッグを買ってあげようとする。そんなバダがいじらしい。
結局、ウォルソンは高価なバッグではなく、財布を買ってもらうのだが、母と息子のやり取りにじんわりさせられる心温まる場面だ。医師である“できた姉”のハヌルと自分を比べるバダに、ウォルソンはバダを身ごもったときに「海にかかる虹の夢を見た」と話し、バダに「母さんにとってあんたは輝く海にかかる虹よ。自分自身が輝ける道を探しなさい」と愛情を示す。不甲斐ない息子が心配で叱ってばかりいたウォルソンの満面の笑みと、自分の進む道がわからずにいたバダの明るく希望に満ちた笑顔に、こちらも嬉しくなり心が温まる。全編を通じて、コメディ担当のバダだったが、バダにもしっかりと歩いていく道が見えそうで嬉しくなった。
ジョンウは、新たに自分の病院を開業し、完全にスランプから脱した。ハヌルもまた、医師として以前とは違って毅然と働くことができ、ジョンウとの結婚に向かい、スランプから抜け出した。共にスランプに落ち、支え合いながら人生の大きな壁を乗り越えることが出来たジョンウとハヌル。ジョンウは、ギョンミン(オ・ドンミン)の死も「悲しみに溺れず思い出を大切にすることも覚えた」と乗り越えることができたのだ。「不幸が訪れてもそばに必ず幸せもある」「悲しみや苦しみに耐える強さを手に入れた。それさえあれば十分だ」とジョンウは前に向かって歩みだす。
本作は、第1話から珠玉の言葉が紡がれ、観る人の心に響くヒーリング力のある作品だった。スランプから登場人物たちが立ち直っていく姿に共に癒され、勇気づけられた人もいるのではないだろうか。パク・ヒョンシクとパク・シネが演じたジョンウとハヌルのカップルは、これからもずっと学生のようにラブラブしながら、共に手を携えて人生を歩んでいくだろう。
『恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~』『その男の記憶法』などのヒット作を生み出したオ・ヒョンジョン監督と、『キム秘書はいったい、なぜ?』『九尾の狐とキケンな同居』の脚本家ペク・ソヌが描いた世界は、パク・ヒョンシク&パク・シネという最高のケミを誇るカップルによって、視聴者をときめかせ、癒し、温かな気持ちを抱かせて美しく幕を閉じた。
■配信情報
『ドクタースランプ』
Netflixにて配信中
出演:パク・ヒョンシク、パク・シネ、ユン・パクほか
(写真はJTBC公式サイトより)