『ブギウギ』「ジャングル・ブギー」はキャスト全員が踊ってた? 大盛り上がりの撮影秘話
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』が現在放送中。“ブギの女王”と呼ばれる笠置シヅ子をモデルに、大阪の銭湯の看板娘・花田鈴子=福来スズ子(趣里)が戦後のスターへと上り詰めていく姿を描く。
第20週では、レコード、舞台、映画音楽などの作曲で羽鳥善一(草彅剛)が大忙し。なかなかスズ子の新曲に手が回らずにいたが、おミネ(田中麗奈)の「あんたにできることは歌だよ」「みんなあんたに力もらってる」という言葉をきっかけに、スズ子は自ら善一のもとへ。映画の主題歌を依頼されていたことを思い出した善一は「キタキタ、キター!」と大興奮で、一気に「ジャングル・ブギー」を書き上げるのだった。
底抜けに明るい善一を演じる草彅の芝居には毎度毎度惹き込まれるが、制作統括の福岡利武は「羽鳥善一は天才と努力を併せ持つ人物。当然、善一もいろいろなことを考えながら作業を進めているわけですが、草彅さんは(努力の部分ではなく)『キター』といった明るさから役を作っていくところが本当に面白いと思います。それを草彅さんご自身に演じていただけることで、スカッとしますし、観ていて楽しいですよね」と、善一というキャラクターが視聴者にもたらす効果を語る。
第96話では、そんな善一が手掛けた「ジャングル・ブギー」を初披露。福岡は「スズ子の表情と、からだ全体から出てくるパワーの両方を撮ることを意識しました。ですから、ほかにダンサーは入れずに、“みんながスズ子を観る”という構成になっています」と狙いを明かす。
「中腰で何かを狙うかのような振り付けには、とてもこだわりました。振り付けの木下(菜津子)先生も今までずっと一緒にやられてきましたし、この歌は“踊り”に重きをおくのではなく、“ワイルドさ”と“思い”を伝えるということを意識されたと思います。趣里さんは立ち姿や歩き姿が凛々しいので、カッコよさもしっかり出ていて良かったと思いますが、中腰の時間が長いのでなかなか大変だとおっしゃっていました(苦笑)」
現場は、見学していたスタッフからも手拍子が起こるなど大盛り上がりだったといい、福岡は「おミネさんたちも、とても楽しそうに踊っていました。指揮をしている草彅さんも本当にノリノリで、すごく良いステージになったかなと思います」と撮影を振り返る。
ステージ上でスズ子が纏っていたのは、ド派手なヒョウ柄の衣装。福岡は「笠置さんが実際に着られていた衣装を参考にしつつ、冒頭の『私は女豹だ』という歌詞のインパクトをそのまま衣装に持ち込みました。衣装部が頑張ってくれまして、ほどよくセクシーな、非常に素敵な衣装になったと思います」と自信を見せる。
「髪型も含め、趣里さんはとても気に入られたようで、『素敵やわ~、テンション上がります』」とおっしゃっていました。大阪で撮影していますので、スタッフ、関係者にもヒョウ柄の服を着ている女性が何人かいて。『みんなでステージに上がろうか』と笑っていました(笑)」