『薬屋のひとりごと』OPに隠された“複雑な事情” 第2クールではついに猫猫の出生に迫る

『薬屋のひとりごと』OPに隠された“事情”

 羅漢という特定の個人に対して何か複雑な感情を抱いているのだとしたら、それはどういうものなのかが、第2クールの展開の中で明かされていく。同時に、羅漢がどうして猫猫に執着するのかも。それは、猫猫が緑青館という妓楼に出入りしている医師、羅門の養女として育ち、妓女たちと親しくしているのかといった理由とも関わってくる。

 TVアニメ『薬屋のひとりごと』の第2クールは、猫猫の出生と生い立ちを明らかにし、猫猫が抱えている複雑な思いに迫るシリーズだとも言える。

 Uruの「アンビバレント」が流れる新しいオープニングにも、そうした猫猫の事情や、羅漢という人物の狙いに近づいていく第2クールの展開の中で、意味を持ってくる映像が差し込まれている。碁盤の上に女性の手によって碁石が置かれていた場面が、次の瞬間、布の上に包帯が巻かれた手で小石が置かれる場面に切り替わる。その理由が分かった時、猫猫がただの毒好きで無愛想な面白少女ではなく、複雑な事情を背負った人間であることが分かるだろう。

オープニングで猫猫がみせる表情の意味

『薬屋のひとりごと』第2クールノンクレジットOP:Uru『アンビバレント』【毎週土曜24:55~ 日本テレビ系にて全国放送中! 】

 オープニングは他にも、『薬屋のひとりごと』シリーズにとって重要な要素を見せてくれている。背中を向けた壬氏の向こうで、猫猫が壬氏の下で働く高順、壬氏の侍女を務める水蓮とともに複雑な表情を見せている場面は、美貌で鳴る壬氏の顔にあることをしたら、何が起こるかを表したものだ。原作の『薬屋のひとりごと3』には、その威力が爆発するシーンが登場する。第2クールでは届きそうにないが、これだけ人気の作品だ。第2期としてTVアニメ化されて、ファンを喜ばせてくれるに違いない。

『薬屋のひとりごと』壬氏×猫猫の“曖昧さ”がたまらない “溺愛もの”は一大トレンドに

アニメ『薬屋のひとりごと』の第12話は、タイトル「宦官と妓女」が示す通り、壬氏と猫猫の間の絶妙な距離感が視聴者の心を捉える素晴ら…

 ずらりと並ぶ棺桶から、誰かが身を起こしている場面は、何か不気味な事件が起こりそうなことを予感させる。阿多妃の代わりに淑妃となった楼蘭妃も、同じ上級妃の玉葉妃や梨花妃、里樹妃と並んで紹介される映像の最後で、思わせぶりな視線を見せてただ者ではないことを感じさせる。現実には存在しないと言われている青い薔薇や、毒を持つダチュラ(チョウセンアサガオ)が曰くありげに映し出される点も大いに気になる。

 そうした映像に絡んで起こった事態に猫猫が挑み、解き明かしていった先に訪れる猫猫と羅漢との“対決”の行方は? すべてが明かされる時を待ち遠しく思いながら、第2クールを観ていこう。

■放送情報
『薬屋のひとりごと』
日本テレビ系にて、毎週土曜24:55〜放送
各種配信プラットフォームにて、放送終了後順次配信
キャスト:悠木碧、大塚剛央、小西克幸、種﨑敦美、石川由依、木野日菜、甲斐田裕子、潘めぐみ、小清水亜美、七海ひろき、斉藤貴美子、家中宏、赤羽根健治、久野美咲、かぬか光明
ナレーション:島本須美
原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊)
キャラクター原案:しのとうこ
監督・シリーズ構成:長沼範裕
副監督:筆坂明規
キャラクターデザイン:中谷友紀子
色彩設計:相田美里
美術監督:髙尾克己
CGIディレクター:永井有
撮影監督:石黒瑠美
編集:今井大介
音響監督:はたしょう二
音楽:神前暁、Kevin Penkin、桶狭間ありさ
アニメーション制作:TOHO animation STUDIO、OLM
製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会
©日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
公式サイト:kusuriyanohitorigoto.jp
公式X(旧Twitter):@kusuriya_PR

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