『さよならマエストロ』リンゴが鍵に? 新木優子、當真あみ、佐藤緋美がもたらしたもの
『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)第2話が1月21日に放送された。前話ラストで、夏目俊平(西島秀俊)の妻、志帆(石田ゆり子)が晴見フィル団長の古谷(玉山鉄二)と親しげに食事をしているシーンが映されて波紋を呼んだ。
2人は個人的なつながりがあり、古谷は志帆に頭が上がらない様子だ。やはりと言うべきか俊平の帰国は志帆が仕組んだもので、パリに行くというのは嘘だった。姿を隠して俊平たちを見守る志帆の意図は、夫と娘がもう一度一緒に暮らすことにあった。
響(芦田愛菜)は上司からオーケストラの機材と楽譜を処分するように言われる。晴見フィルにとって終わりの始まりだ。暗い見通しとは対照的に、俊平を迎えたオーケストラはどこか明るい空気が漂っていた。『さよならマエストロ』第2楽章で、晴見フィルは新たな仲間を迎え入れることになった。
オーケストラの練習で俊平が選んだのは、ロッシーニ作曲「ウィリアム・テル序曲」。クラシックの名曲中の名曲で、スイス独立の英雄とされるウィリアム・テルを描いた作品である。弓の名手であるウィリアム・テルが、息子の頭に置いたりんごを見事射抜いたエピソードは有名だ。折しも市長の白石(淵上泰史)は市民ホール売却と楽団の解散を進めており、圧政に苦しむ民衆と晴見フィルの状況が二重写しになった。
第1話で少しだけ登場していた新メンバーの1人目はチェロの羽野蓮(佐藤緋美)。菜々(久間田琳加)の“推し”でCDデビューしたこともある蓮は、実家の工場を手伝っていた。2人目は高校生の谷崎天音(當真あみ)。定期演奏会で俊平が指揮するベートーヴェンの「交響曲第5番」に圧倒された天音は「指揮がしたい」と言って訪ねてくる。楽器が弾けない天音に団員たちは失笑をもらすも、俊平は天音の耳の良さを認めて宿題を出した。
3人目はフルートの倉科瑠李(新木優子)。名門オーケストラに呼ばれる腕を持ちながら、恋愛トラブルを起こしてお払い箱になってしまった。3人が3人ともいわくつきだったり、未熟さや問題を抱えていてふぞろいのリンゴのようだ。なかでも幼い頃から才能があるともてはやされた蓮は、音楽活動をめぐって両親が争う姿をたびたび目にし、そのことがトラウマになっていた。