山田裕貴の表現力は視聴者を虜にする 『君が心をくれたから』太陽役での真っ直ぐな姿勢

 2023年には、ゴールデン・プライム帯の2本の連続ドラマに立て続けに挑んだ山田。1月期ドラマ『女神の教室〜リーガル青春白書〜』(フジテレビ系)での藍井仁役と前述の4月期ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』の直哉役では、ビジュアルもさることながら感情の表出という点において全くベクトルの違う個性を打ち出していた。どの役でも、山田は奥深い解釈により変幻自在に役と一体化し、その心の内を視聴者に切実に伝えてくれるのだ。それは時代劇においても変わることがない。大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)では本多忠勝役を好演し、大河ファンを楽しませてくれたことも記憶に新しい。

『どうする家康』山田裕貴が「俺は認めぬ」に込めた思い 本多忠勝として台本を超えた瞬間

最終回まで残り約1カ月となったNHK大河ドラマ『どうする家康』。数多の戦を経て、第1回から登場していた徳川家臣団が次々と退場をし…

 『君が心をくれたから』で雨を演じる永野とは、『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ系)で共に警察官として出演していたことから、今回が2度目の共演となる。第1話の時点で太陽がどれだけ真っ直ぐ雨に気持ちを伝えてきたのか、2人がお互いの存在をどれだけ支えに感じてきたのかが切々と伝わり、永野と芝居の掛け合いを通して作品の新たな魅力がどんどん引き出されているように感じた。

山田裕貴は視聴者の感情を動かし続ける 『ペンディングトレイン』を牽引した“生”の芝居

『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系/以下『ペンディングトレイン』)が6月23日に最終回を迎える。希望を胸…

 時に心苦しくなるシーンもあるが、私たちが「人を大切にする」ことや「当たり前の日常」を改めて省みるきっかけにもなる本作。太陽や雨と一緒に心を痛め、時に希望を抱き、前に進むことで、3カ月後には私たち自身も新しい自分を見つけられるかもしれないと感じた。

■放送情報
『君が心をくれたから』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:永野芽郁、山田裕貴、斎藤工、松本若菜、白洲迅、出口夏希、螢雪次朗、佐藤貴史、谷恭輔、萩原護、真飛聖、遠藤憲一、余貴美子ほか
脚本:宇山佳佑
主題歌:宇多田ヒカル
演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
©︎フジテレビ
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