朝ドラ『ブギウギ』趣里の絶望の表情が胸に迫る 虚しく響くスズ子の「万歳ー!」

『ブギウギ』虚しく響くスズ子の「万歳ー!」

 NHK連続テレビ小説『ブギウギ』第47話でスズ子(趣里)が家に戻ると、梅吉(柳葉敏郎)から六郎(黒崎煌代)の戦死が知らされる。ツヤ(水川あさみ)の死をまだ受け入れられていない2人にとって、それは追い打ちをかけるかのように重くのしかかってくる。

 「福来スズ子とその楽団」を結成し再び歌うことを決意したスズ子。これから再出発という時に最愛の弟である六郎が死んでしまった。梅吉は「間違うてる」と訃報を受け入れようとしないが、それも無理はない。むしろツヤに続いて、息子の死を簡単に受け入れろというほうが難しい。言葉では強がっていても、梅吉の表情には動揺が表れていた。気を遣って部屋の外で待っていた小夜(富田望生)が心配そうに見つめていると、梅吉が「なんかの間違いやろ?」と問いかけるが、その言葉は息子の死を否定してほしいという強がりだ。

 翌朝、机に突っ伏すように眠っていたスズ子が起きると、心配そうにしていたチズ(ふせえり)と吾郎(隈本晃俊)がおむすびを作ってくれていた。お互いの事情に深入りすることなく、ただ優しく寄り添ってくれる。そんな2人の気遣いが今のスズ子にとっては何よりも嬉しいはずだ。一方で、どう接したらいいのか悩んでいた小夜はひと足早く事務所へ行き、楽団のメンバーに事情を説明していた。するといつもと変わらない様子のスズ子が現れる。楽団のメンバーたちはスズ子に気を遣って休むことを提案するが、スズ子にとってただ黙って休んでいる時のほうが辛い。迷惑をかけてしまうという理由で事務所を後にしたスズ子は「ラッパと娘」を歌おうとするが、その声にはいつものような迫力がない。どうしても頭の中には六郎のことが浮かんでいたのだ。

「怖かったやろなぁ……。寂しかったやろなぁ……。かわいそうやったなぁ……」

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