“本当の自分”を探す子どもに寄り添う家族の姿が 『ミツバチと私』予告編&新場面写真

『ミツバチと私』予告編&新場面写真公開

 2024年1月5日に公開されるスペイン映画『ミツバチと私』の予告編と新場面写真が公開された。

 夏のバカンスでフランスからスペインにやってきた家族。8歳のアイトールは、自分の性自認が分からず、違和感と居心地の悪さの悩み、心を閉ざしていた。母はそんなアイトールを愛しながらも向き合い方に迷っている。ある日、叔母が営んでいる養蜂場でミツバチの生態を知ったアイトールは、ハチや自然と触れ合うことで心をほどき、多様性を受け入れ、ありのままで生きていきたいという思いを強くしていく。

 主演のソフィア・オテロは、約500人の中からオーディションで選ばれた新人で、第73回ベルリン国際映画祭にて史上最年少の8歳にして最優秀主演俳優賞を受賞した。監督は、数々の短編を監督し、『Chords』が第75回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映された実績を持つスペイン人のエスティバリス・ウレソラ・ソラグレンが務めた。

 第36回東京国際映画祭では、ワールド・フォーカス部門で仮題『20000種のハチ』として上映され、新設されたアワード「エシカル・フィルム賞」の第1回受賞作品に選ばれた本作。審査委員でエシカルディレクターの坂口真生は選考理由を「一言で言えば優しさ。この映画に出ていたすべての人がすべての人に優しい思いやりを持った一面が見てとれた」と語った。

映画『ミツバチと私』予告編

 公開された予告編は、主人公のアイトールが「私はなんでこうなの?」とつぶやくシーンから始まる。男の子に生まれたアイトールは、名前や髪型や水着、日々のさまざまなことに違和感を覚え、自分のことがわからない不安を募らせていく。そんなアイトールに戸惑いを隠せない家族。スペイン・バスク地方の柔らかな光が差し込む緑豊かな美しい自然を背景に、家族に寄り添われながら、私らしく生きていきたいと顔を上げる表情が映し出されている。

 あわせて公開された新場面写真には、養蜂用の防護服に身を包んだアイトールの姿や、休暇でバスクへ向かう車の後部座席で並ぶ兄弟3人、叔母と植物を植えていたアイトールがハチに驚いて顔を顰める場面、ドレスを着たアイトールと母親が鏡を見つめるシーンのほか、池で水着を交換したアイトールと友達の2ショットのカットなどが収められている。

 日本での劇場公開に向けて、エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督からはコメントも到着した。

エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン コメント

日本で私の映画を上映していただけてとても幸せです。皆様にこの映画を観ていただきたい理由はいくつかあります。ひとつは、子供のトランスジェンダーというとても重要なテーマを扱っているからです。しかし、それだけではありません。家族の問題も含まれていますし、私たちは時々、自分はいったい誰なのだろうと自問することがあります。それは、自分自身を取り巻く人々が自分をどのように見ているかにも関係します。この映画は、光に満ちていて繊細で優しく感動的です。主人公のソフィア・オテロだけではなく、母親や祖母、叔母役の俳優たちも素晴らしい演技をしています。また、この映画を見て私の生まれ故郷であるバスクを発見してほしいと思います。バスク語という言語、そしてバスクの風景をです。映画館で皆様を待っています。

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■公開情報
『ミツバチと私』
2024年1月5日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本:エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン
撮影:ジナ・フェレル・ガルシア
美術:イザスクン・ウルキホ
編集:ラウル・バレラス
出演:ソフィア・オテロ、パトリシア・ロペス・アルナイス、アネ・ガバライン
配給:アンプラグド
後援:駐日スペイン大使館
2023年/スペイン/128分/1:1.85/スペイン語・バスク語・フランス語/英題:20000 Species of Bees/カラー/5.1ch/字幕:大塚美左恵
©2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE
公式サイト:unpfilm.com/bees_andme

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