『トキコイ』吉岡里帆と永山瑛太が“恋の逃避行”へ 伊藤万理華が“良くも悪く”も大活躍
11月14日に放送された第6話から、『時をかけるな、恋人たち』(カンテレ・フジテレビ系)は新たな展開がスタートする。タイムパトロールでの任期が終わりを迎えようとしていたタイミングで、翔(永山瑛太)からの“駆け落ち”の提案を受け入れることにした廻(吉岡里帆)。未来人と過去人が一緒に暮らしていくためにはどうすればいいのか作戦を立てるための“緊急避難”、あるいは“恋の逃避行”へ。向かった先は、廻が生まれる前(つまり廻という人間が2人存在することのない時代)の1983年8月10日だ。
海辺の街にたどり着いた2人がすっかり過去を満喫しているところに、現代から追いかけてきた天野(伊藤万理華)が現れる。なんとか連れ戻そうとする天野に対して、本気だからと抗う翔と廻。するとそこにいた卓(村上淳)という男が声を掛けてくるのだが、実はこの卓は廻の父親の若き日の姿。廻はこの8月10日が、かつて両親から話に聞いた、2人が海で出会った運命の日であることを思い出す。しかし卓はすっかり天野にぞっこんの様子で、このままでは両親が出会わず、廻が生まれてこないというタイムパラドックスが生じる危険性が。廻たちが慌てていると、母親の凪(森カンナ)も海岸に現れるのである。
まず今回のエピソードタイトルでもじられているのは、ロバート・ゼメキス監督によるタイムトラベル映画の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。そのタイトルに偽りなく、主人公たちが過去にわたったことで両親の運命の出会いに危機が生じてしまうというストーリーラインも、明確に同作からの引用だとわかる。もっともそれを、いかにして30分弱の1エピソードのなかで描くのかという点が、今回の大きな見せ場となるわけだ。
もっぱら海岸というワンシチュエーションで事を運び、テンポ良く辻褄を合わせていくことでトラブルを未然に回避し、それを実現させるのはお見事。天野にべったりついて離れない卓に、あと一歩のところで凪が気付きそうなタイミングで現れるもう1人の卓。すぐさま状況を理解した廻と翔は過去人である卓をいきなりタイムボードに乗せ、最低限の説明だけで10分前にタイムトラベルさせるという力技で一気に畳み掛ける。それだけでなく、なんのことかわからないまま10分前にやってきた卓が、2人の会話を耳にして廻が自分の娘であることを察する流れも非常に効果的だ。