『今日もあなたに太陽を』は“観るメンタルケア” パク・ボヨンらのセリフに癒やされる

『今日もあなたに太陽を』は笑って泣ける良作

 本作の監督イ・ジェギュは、制作発表会で「現代社会を生きている私たちの半分は心の病気を抱いているが、大変で過酷な世界の中で心理的な慰めを得ることができる話を描いてみたかった」と言う。さらに、「撮りながら私も毎日治療を受ける感じで、癒される時間だった」と自身も本作によってヒーリング効果を受けたことを述べた。精神科師長ソン・ヒョシンを演じたイ・ジョンウンは、「いつか“メンタルケア”に関するドラマが出てほしいと思っていたが、監督が人々の精神衛生に対する愛情を持って作品を作ると言っていたので、心が動いた」と本作への出演理由を語った。(※)

 そんなイ・ジョンウンがヒョシンとして劇中で放った「精神疾患がなによ。うつ病がなによ。わざと病んだとでも? 何も悪いことをしてないのになぜ人の目を気にするの。他人の目がなによ、小さくなっちゃダメ」というセリフにダウンとともに涙し、勇気づけられた人も多いのではないだろうか。

 さらに本作の見どころの一つとなるのは、心象風景のリアルな映像表現だ。患者たちの「苦しいんだ」という言葉や表情で精神状態を表すだけでなく、“焦燥感”や“息苦しさ”、”現実感の乖離“などをCGを使って描くことで、より患者たちの心を視覚的に理解できるようにしている。

 そして、本作がメンタルケア作品として優れているのは、重く扱いにくいテーマとして描くのではなく、ダウンとゴユン、ユチャンの三角関係や、ドゥルレとファン・ヨファン(チャン・ユル)の恋愛関係にも、成長ドラマが盛り込まれているところだ。ゴユン、ユチャン、ヨファンの男性陣のかっこよさにときめき、看護師と医師と患者の関係性に癒され、ミョンシン大学病院のみんなが愛おしくなるのだ。

 主人公ダウンを演じたパク・ボヨンは、どんな作品の中でも強い磁力を放ち、彼女が出演する作品は人気作品となる。パク・ボヨンが演じる人物は皆、その高い演技力で本人と完全にシンクロしているように見えてくる。本作のダウン役でも、パク・ボヨンは見事に役に入り込んだ秀抜な演技を見せた。ダウンはパク・ボヨンの代表キャラクターとなるだろう。

 2023年も残すところあと1カ月となる11月に、Netflixが冬の冷たい風とともに運んできた本作は、観るだけで涙し、笑い、心に勇気や栄養や滋養を与えてくれるハートフルな“観るメンタルケア”作品だ。ドラマを観る人の心の奥の奥に大切な言葉が届き、人生を歩む気持ちに変化が起きる。そう、まるで暖かな毛布のような、多くの人の心を癒してくれるヒーリングドラマが誕生した。

参照

※ https://www.news1.kr/articles/?5217555

■配信情報
『今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー~』
Netflixにて独占配信中
出演:パク・ボヨン、ヨン・ウジン、チャン・ドンユン
原作・制作:イ・ジェギュ、キム・ナムス、イ・ナムギュ、オ・ボヒョン、キム・ダヒ

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