朝ドラ『ブギウギ』輝きを放った退団公演 OSK日本歌劇団を象徴する「桜咲く国」の歴史
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』の第5週となる「ほんまの家族や」が放送された。スズ子(趣里)ら劇団員から愛され、視聴者からも愛されてきた礼子(蒼井優)の死が描かれた。悲しみに暮れる一方でスズ子は東京行きを決め、梅丸少女歌劇団(USK)での退団公演が行われた。悲痛と喪失の後に描かれたのは、桜舞い散る中で迎えるスズ子の門出だ。
この退団公演のシーンで披露されたのは、「桜咲く国」。梅丸少女歌劇団のモデルとなるOSK日本歌劇団で長く歌い継がれてきた、OSKを象徴する楽曲である。この曲が選ばれたのは、やはりスズ子と秋山(伊原六花)がUSKから「卒業」することにちなんでいると思われる。そんな「桜咲く国」だが、今回『ブギウギ』ではOSKの演出をベースに、オリジナルの演出を加えながら舞台を作り上げたことを公式X(旧Twitter)で明かしている。
「桜咲く国」といえばやはり、『ブギウギ』の劇中でもひときわ目を引いたピンク色のパラソルだろう。実はOSKがこのパラソルを使うには理由があるという。かつてOSKの公演に海外のアーティストがゲスト出演した際、桜を模した紙吹雪が口に入って歌えなくなってしまって以来、大量の桜吹雪を避けるためにパラソルを使用するようになったという。
こうした流れがあり、「桜咲く国」では「桜パラソル」と呼ばれるピンクのパラソルがキーアイテムとなっている。ちなみにOSKの公式グッズとして「ミニ桜パラソル」という「桜パラソル」にそっくりのミニチュア版が物販に用意されており、「桜咲く国」が披露される際には観客が一斉にこのミニパラソルを回す光景も見られる。こうして観客も一体となり盛り上がれるのが「桜咲く国」の素晴らしさでもある。