『どうする家康』中村七之助は今までにない石田三成に “親友”松本潤との共闘

中村七之助は今までにない石田三成に

 『どうする家康』(NHK総合)で中村七之助演じる石田三成と家康(松本潤)が出会ったのは、大阪城内の満天の星の下。関白・豊臣秀吉(ムロツヨシ)の拠点である大阪に上洛した家康は、終始上機嫌だった。

 家康を上洛させるために秀吉は、妹の旭(山田真歩)を正室として家康のもとへ嫁がせ、母の大政所・仲(高畑淳子)を人質として徳川家へ差し出している。家康としては苦渋の決断を下した結果の上洛となるが、秀吉は喜びを隠そうともしない。

 涙まで流して盛大に歓待する秀吉に対して家康は「さような芝居はなしにしましょう」などとクールな姿勢を貫いていたが、三成の屈託ない笑顔には自ら話しかけ、三成が語る南蛮の星座や神話の話に目を輝かせていた。

 秀吉の弟・秀長(佐藤隆太)に紹介された石田三成は豊臣家の実務を一手に担う切れ者であり、変わり者でもあるという。夜空を見上げて互いに少年のような笑顔を見せながら星座について語り合う家康と三成。この2人の出会いのシーンは、これから描かれる天下分け目の関ヶ原の戦いを前に興味深く、かつ家康に共鳴する自然体の三成を強く印象づけた。

 三成は家康に心を開き、「古い考えに凝り固まっていてはものの真の姿はつかめませぬ。政もまた新たなるやり方、新たなる考え方が必要と存じます」と語り、家康もまた三成の真っ直ぐな考え方に好感を持った。素直に家康に対して「気が合いそうでござるな」と友人に話しかけるような、うれしそうな表情を見せる三成像も新鮮だ。

「戦なき世を成す。私はかねてより徳川様と同じ星を見ていると心得ております」

 これも三成の台詞。家康と三成は同じ理想を持ち、共鳴し合い、同じ価値観を共有できる相手と出会えた喜びを感じていた。そんな2人が関ヶ原では東軍と西軍に分かれて戦うことになる。なぜ、袂を分かつことになったのか。2人は同じ星を見ていたはずなのに、別の方を向くようになってしまったのか。

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