『バーナデット ママは行方不明』自分探しで南極へ! 日常から離れて見える本来の“私”
日々の暮らしのなかで目標を見失ってしまうのは、生き物としてはある意味当たり前のことです。足元のヘビに気づかず遠くの星を見ていたら死んでしまうから、生き物は自然と半径1メートル以内の出来事に集中するようにプログラムされているのかもしれません。
だからこそ、日常から少し距離を置くことで、見えてくるものがあります。20年近く創作活動から離れていたバーナデットが、南極で本来の自分を取り戻し、打ち込めるものを見つける過程にはきっと多くの人が勇気づけられるはずです。バーナデットを演じているケイト・ブランシェットもチャーミングで、同じ“天才芸術家”を演じていても『TAR/ター』とは全く違う人物に見えます。
日々の忙しさに追われ、楽しみが見いだせなくなっている人。10代の頃に何が好きだったか思い出せない人。ちょっと情けなくて愛嬌のあるケイト・ブランシェットが見たい人は、ぜひ劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。
参照
※ 若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(KADOKAWA刊)
■公開情報
『バーナデット ママは行方不明』
全国公開中
監督・脚本:リチャード・リンクレイター
脚本:ホリー・ジェント、ヴィンス・パルモ
出演:ケイト・ブランシェット、ビリー・クラダップ、エマ・ネルソン、クリステン・ウィグ
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド
2019年/アメリカ/英語/カラー/ビスタ/108分/日本語字幕:石田泰子
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公式サイト:longride.jp/bernadette/