川口春奈、俳優業を続けていく上でのモチベーション 「必ず待ってくれる人がいる」
“やりたい仕事”と思えるようになるまで時間がかかった俳優業
ーーそういう意味では、今回はウェイド役の玉森裕太さんともしっかりコミュニケーションを取られたんですか?
川口:それが今回は収録が別々だったので、先日取材で初めてお会いしたばかりなんです(笑)。なのでまだそこまでコミュニケーションは取れていないんですけど、ウェイドの声をやった人とは思えないくらい、すごく落ち着いているイメージで。だからこそ、玉森さんのウェイドの演技は本当にすごいなと思いました。
ーー玉森さんとは思えないくらい、全く別人のような声でした。
川口:ですよね! すごく難しい役だったと思うんですけど、本当にウェイドにしか思えないというか。振り幅も振り切り方も含めて、ウェイドの優しさやおちゃらけた部分が全部詰まっていたので、本当に素晴らしいなと思いました。
ーーそんなウェイドとエンバーの関係性に加えて、エンバーと両親の関係性や、エンバーが自分の将来について下す決断も、本作の重要なテーマになっています。川口さんはモデルからキャリアをスタートさせ、現在は俳優業でも大活躍をされていますが、キャリアの中で何か転機となる出来事はありましたか?
川口:もともとモデルを始めたのも、友達が履歴書を送ったのがきっかけで、自分が「やりたい!」という感じでは全然なかったんです。自分の中で“やりたい仕事”と思えるようになるまでも結構時間がかかって、与えられた環境の中で自然と楽しさややりがいが芽生えていった感じだったんですよね。俳優業に関しても、「ここからシフトチェンジしよう!」みたいな決定的な瞬間は特になくて、気づいたら連続ドラマとかに出させていただくようになって、今に至っているという感じで。俳優ってすごく難しくて大変なお仕事なので、正直、自分の中では“天職”だとは思えない部分もあるんですよね。
ーーそれは今もそうなんですか?
川口:今もそうですね。ただ、「この人のおかげで……」と言っていただけるような、すごく影響力のあるお仕事なので、そういう責任感は常に感じています。あと、作品は1人で作るものではなく、チームで作っていくもの、という考え方も自分の中では大きくて。みんなで力を合わせて大変な思いをしながら作った作品が、いろんな人に届いていくのを見守るのって、本当になかなかできない経験だと思うんです。「大変な思いをした先に、必ず待ってくれる人がいる」ということを考えたときに、すごく頑張ろうと思える気持ちが湧いてくるんですよね。
ーーそれが続けていく原動力になっていると。
川口:そうですね。でも、心境の変化とかで何か違うことにトライしてみたりすることもあると思いますし、自分でも先は全然読めないんですよね……。とにかく今は、自分が今やるべきことに取り組んでいくことに集中していきたいです。
■公開情報
『マイ・エレメント』
全国公開中
監督:ピーター・ソーン
プロデューサー:デニス・リーム
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
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