松村北斗×西畑大吾『ノキドア』元ゼミ仲間のいびつな関係 4人はなぜ執着し合っているのか

 美影が犯罪コンサルトになったのは、犯罪を作る側の気持ちを理解するため。つまり、倒理に危害を加えた犯人を暴くためなのではないだろうか。そう考えると、「僕は選んだ。6年前の事件に関わって。あの時の密室の虜なんだよ」という台詞もつじつまが合ってくる。

 そして、3人のなかで唯一、美影の居場所を知っている氷雨が、彼を警察に突き出さないのは、その計画に気づいているから。倒理への並々ならぬ愛を持っている氷雨。彼を傷つけた犯人が見つかるのなら……と目をつぶってしまうのも無理はないだろう。 

 ただ、穿地は、美影を許しそうになってしまった自分が許せないのだと思う。「万引きしようとすると、ドキドキする。それは潜在的にその行動が悪いと分かっているから。心がサインをくれる。でも僕は、ドキドキしたことがない。今まで、一度も。心がないんだよ」と美影に打ち明けられた時、穿地は彼のことを“守りたい”と思った。心のどこかで、“それでもいいじゃない”と思ってしまった。

 しかし、実際に自分の仲間が事件に巻き込まれた時、初めて犯罪者に対する強い憤りを感じたのだろう。だから、穿地が本当に殺したいのは、美影の暴走を止められなかった自分であり、美影を許しそうになってしまったあの頃の自分なのだと思う。

 それぞれが6年前に縛られているなかで、次々と解決しなければならない事件が起きる。第2話では、元衆議院議員・南雲弘伸(大河内浩)がパーティでスピーチの最中に殺された“衆人環視の毒殺事件”を追うことに。しかも、その事件を作ったのは美影だったーー。

 今のところ、いちばん怪しく描かれているのは、南雲の秘書の浦和敬人(丸山智己)。「アルコールの消化を助ける薬です」と飲み薬を渡して、南雲に毒を飲ませる。そして、救急車で病院まで付き添った時に、飲み薬の袋を回収すれば、証拠隠滅は可能だ。しかし、美影がこんなに簡単に暴ける事件を作るとは思えない。確実に、もうひと波乱ありそうだ。

■放送情報
『ノッキンオン・ロックドドア』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:松村北斗(SixTONES)、西畑大吾(なにわ男子)、石橋静河、畑芽育
原作:青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア』(徳間書店)
脚本:浜田秀哉
監督:堤幸彦ほか
音楽:fox capture plan
主題歌:SixTONES 「CREAK」
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:田中真由子(テレビ朝日)、尾花典子(ジェイ・ストーム)、長澤佳也(オフィスクレッシェンド)、小林麻衣子(テレビ朝日)
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
©︎テレビ朝日

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