『すずめの戸締まり』『BLUE GIANT』も人気? インドエンタメ界に日本アニメ流行の兆し

アメコミや日本のアニメがインドエンタメに与えた影響

 その影響は市場の変化だけではなく、インドエンタメ自体に喰い込んできている。近年のインド映画が急激にアメコミ映画を意識し始めていることからもわかるはずだ。

 先日、日本でも公開された『ブラフマーストラ』(2022年)のアヤーン・ムカルジー監督もアメコミの大ファンとして知られており、特にDC作品の影響を受けていることが同作や、長編監督デビュー作の『Wake Up Sid(原題)』(2009年)からも感じ取ることができる。また、『Dobaaraa(原題)』(2022年)の中でマルチバースについて言及する際に『ドクター・ストレンジ』を例に挙げていたりと、より一般的になってきた。

 さらに日本アニメでは、『Pushpa: The Rise - Part 1(原題)』(2021年)や『ミッション・マジュヌ』(2023年)など地域を跨いで様々な映画に出演する人気の若手女優のラシュミタ・マンダナが、Instagramにうずまきナルトのフィギュアを持った姿を投稿していたり、MTV『ハッスル』シーズン1の準優勝者でラッパーのアンタナム・スリニヴァサン・アイヤー(EPR Iyer)がアニメ版『NARUTO -ナルト-』のセリフを引用した楽曲「Koi Gham Nahi」をリリースするなど、日本のアニメの影響が各界に出始めている。

EPR Iyer - Koi Gham Nahi (Prod. by GJ Storm) | Official Music Video | Adiacot | 2021

 今後、もっと日本のアニメやコミックを意識した映画やドラマも増えてくるだろうし、Netflixで配信されているインドドラマ『トゥース・フェアリー ~恋のヒト噛み~』は、日本のアニメを意識したようなキャラクター設定と展開となっている。

 ちなみに2018年頃から、スタジオ・ドゥルガーというアニメスタジオが、かなり地道に長編アニメ映画『カルマ・チャクラ』を制作開始している。日本の作品を意識していることは言うまでもないが、その中でもTYPE-MOON作品を意識したようなものとなっている。

KARMACHAKRA : Episode Zero | Indian Anime Movie | Official Trailer 1 | Studio Durga

 技術的にはまだまだ平面的ではあるものの、今後アニメの需要が増せば一気にクオリティも上がってくるだろう。インドでアニメ革命が起こるのもそう遠い未来ではないのかもしれない。

参考

https://www.instagram.com/p/CsJcLlEIGyb/
https://www.comicconindia.com/

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