STUDIO4℃『火の鳥』がディズニープラス版と映画版で展開 声優に宮沢りえ、窪塚洋介ら

映画版『火の鳥 エデンの花』11月公開決定

 手塚治虫の『火の鳥』望郷編を映像化しディズニープラスで配信されることがアナウンスされていた新作アニメーション『PHOENIX :EDEN17』が、『火の鳥 エデンの宙』の邦題で9月13日よりディズニープラスで世界独占配信(中国本土を除く)されることが決定。また、エンディングの異なる映画版『火の鳥 エデンの花』が11月3日に劇場公開されることも決定した。

 手塚治虫の漫画『火の鳥』全12編のうち、地球と宇宙の未来を描いた「望郷編」を初めてアニメ化する本作。地球から遠く離れた辺境の惑星・エデン17に降り立った主人公ロミの人生、不死鳥「火の鳥」が見届けたほんのささやかな人間の営み、ロミの奇跡を描く。

 製作期間7年をかけて本作を完成させたのは、STUDIO4℃。『鉄コン筋クリート』『ムタフカズ』などを手がけたクリエイター・西見祥示郎が監督を務め、キャラクターデザイン・総作画監督を西田達三、美術監督を木村真二、音楽を作曲家の村松崇継が担当した。

 また、宮沢りえ、窪塚洋介、吉田帆乃華、イッセー尾形が両作で声優を務めることが決定。宮沢が演じるのは、恋人のジョージと共に地球を離れ惑星・エデン17で暮らす主人公ロミ。ロミは、自分の意思を強く人に伝えることはしないが、揺るがない芯を持っている女性でもある。窪塚が演じるのは、2人だけの新たな生活を求め、地球から逃亡し、辺境の惑星・エデン17に降り立つロミの恋人、ジョージ。そして、進化の過程で目と耳が退化した代わりに、発達した触覚を活かし、物事を感じることができる宇宙生命体でムーピーを祖先にもつ少年コム役を吉田、ケルポ49号惑星出身で宇宙を彷徨っては、ずる賢く珍品を掘り出し商売をしている宇宙のよろず屋ズダーバン役をイッセーが演じる。

映画版『火の鳥 エデンの花』特報映像 非公開

 あわせて特報映像と映画版ティザービジュアルも公開。特報映像では、地球を逃れ辺境惑星エデン17で暮らすロミ(宮沢りえ)や、恋人のジョージ(窪塚洋介)、ロミが出会う心優しい少年コム(吉田帆乃華)、怪しげな宇宙のよろず屋ズダーバン(イッセー尾形)などのキャラクターと、宇宙を舞う火の鳥の姿が映されている。

 あわせて公開された映画版ティザービジュアルでは、エデン17に1人佇むロミと、そのロミが見上げる空に翼を広げ羽ばたく火の鳥の姿が切り取られている。そして、「あなたは、生きなさい。」というキャッチコピーが添えられている。

 また、声優キャストの宮沢、窪塚、吉田、イッセー、監督を務めた西見、音楽を担当した村松、プロデューサーの田中栄子、手塚プロダクション取締役の手塚るみ子からコメントが到着した。

コメント

宮沢りえ(ロミ役)

手塚治虫さんの『火の鳥』
時を超え、今を生きる私達に壮大なメッセージが、舞い降ります。それを受け止め、ロミという女性を演じるのは簡単では無かったけれど、、観てくださった方が、今を生きている事、生きる先にある未来を感じてくださる作品になれば良いなぁと思います。

窪塚洋介(ジョージ役)

自分が手塚治虫先生の作品に関わることができるなんてとても光栄でした。「火の鳥 望郷篇」は今読み返しても、宇宙、真理、命の理についての普遍的なメッセージが込められていて、僕らがどんな時代に生きていようとも伝わり、かつエンタテインメントとして楽しめる作品だと思っています。僕が演じたジョージは、ロミと共に地球を飛び出しエデン17に辿り着く、若気の至りというか、勢い余ってこんなところまで来てしまった、というキャラクターです。20代の溌剌とした感じを意識して演じました。

吉田帆乃華(コム役)

物語は、これからどうなるの!っと、ドキドキヒヤヒヤしました。
初めてのアフレコで、声をどうやって合わせたらいいのか分からなくて難しかったけど、スタッフのみなさんが優しく丁寧に教えてくれたので、すごく楽しく収録できました! 優しく思いやりがあって、ゆうかんなコムを演じさせてもらえて嬉しかったです!

イッセー尾形

宇宙のヨロズ屋ズターバン。こういう一見するといてもいなくても同じのような人物を作り上げるのが手塚さんならではのような気がします。無駄を無駄にしなくてキチンと主筋に送り返すのが魅力を倍増させます。怪しげであればあるほど宇宙の奥深さも体感します。役には立つけどしっかり自分の得は外さない。分かりやすい原理ですね。ズターバンは自分に正直です。(笑)

西見祥示郎(監督)

山あり谷ありの火の鳥でありました。何十年もの間、親しまれた手塚治虫先生の代表作の一つ。楽な仕事ではありませんでした。
この作品に参加してくださったスタッフ一同、同じ思いだとおもいます。原作を何も理解できてないかもしれませんが、原作にあるキャラクターを擬似体現するような、大袈裟に言えばそんな感じで作品を作っていたような気がします。
火の鳥の望郷編、手塚治虫先生の中では答えは一つであるかも知れませんが、見た人それぞれ色々な解釈が出来る作品だと思います。沢山あるアニメ作品の中の一つではありますが、目に止まり見終わった後、なにかの瞬間にまたフワッ思い出すような作品になれば、これ幸いです。まずは映画はエンターテイメント、楽しんで頂けたらと思っております。

村松崇継(音楽)

子供の頃から大好きだった、手塚治虫さんの火の鳥の世界を自分が音楽で描けること。本当に嬉しく思います。そして、脚本、描かれるアニメーションの世界観を観させていただいた時、一気に音のイマジネーションが浮かびました。その浮かんだ世界は自分も未だ出逢ったことのない世界。制作途中、その浮かんだ世界はあまりにもスケールが大きく、締切に間に合うのか。。。それはいつの間にか時間との戦いになっていました。ダイナミックな神秘的なオーケストラを軸にした火の鳥の音世界。ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。

田中栄子(プロデューサー・STUDIO4℃代表)

STUDIO4℃が世界の巨匠手塚治虫氏の作品を映画にしない訳には行かない。そしてその作品は手塚氏の永遠のテーマを描くものでなくてはならない。これがミッションでした。集まったスタッフも超一流。作品力も破格です。そして配信と映画という2つのメディア用に、アナザーエンディングを作ることが出来ました。深淵なる意味や価値を持つ原作の力を果たして映画にすることはできたのか。決して簡単ではなかった本映像制作です。時を駆けるS F冒険譚としても楽しんで欲しいし、未来へ向けた人類への警告としても受け止めてほしい。そして何より人間の営みへの慈しみを育んでいただければ、全スタッフの努力が報われます。

手塚るみ子(手塚プロダクション取締役)

『火の鳥・望郷編』が美しいアニメになりました。ロミとコム、そして牧村が乗りあうミステリアスな星から星へのロードムービー。まるで一緒に同乗しているかのような、岩型宇宙船の乗り心地さえ伝わる。そして目的地へ近づくとともに問いかけられる真理。果たして本当に辿り着きたいのは地球なのだろうか?と。人が心から望む故郷とは、求めてやまない居場所とは、この時空のどこにあるのか…
手塚治虫が投げかけたメッセージをフルスクリーンで届けてくれるこの映画に感謝します。

■配信情報
映画版『火の鳥 エデンの花』
ディズニープラスにて、9月13日(水)より年世界独占配信予定(中国本土を除く)

■公開情報
映画版『火の鳥 エデンの花』
11月3日(金・祝)新宿バルト9ほか全国公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ

監督:西見祥示郎
出演:宮沢りえ、窪塚洋介、吉田帆乃華、イッセー尾形
音楽:村松崇継
原作:手塚治虫『火の鳥』(望郷編)
キャラクターデザイン・総作画監督:西田達三
脚本:真野勝成、木ノ花咲
美術監督:木村真二
演出・CGI監督:斉藤亜規子
色彩設計:江上柚布子 
編集:重村建吾
音響監督:笠松広司
プロデューサー:田中栄子
アニメーション制作:STUDIO4℃
製作:「火の鳥 エデンの花」製作委員会
©Beyond C.
公式サイト:https://happinet-phantom.com/hinotori-eden/
公式Twitter:@hinotori_eden

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