『孤独のグルメ』『晩酌の流儀』『ワカコ酒』 グルメドラマの“神回”を勝手にランキング

 『孤独のグルメ』(テレビ東京系)を筆頭に、『絶メシロード』(テレビ東京系)や『ワカコ酒』(BSテレ東)、そして7月7日深夜から第2シーズンがスタートする『晩酌の流儀』(テレビ東京系)などの「孤食系グルメドラマ」は根強いファンを抱えている。その魅力は主人公が飲食店で唸りながらメシを食べる描写へのこだわりにもあるが、そこにもいわゆる神回=美味そう回が存在する。そこで、いくつかのドラマの過去回をピックアップし、独断と偏見で「美味そうだったランキング」を発表する。

1. 『孤独のグルメ』Season5 第10話 純レバ丼からの水
2. 『孤独のグルメ』Season1 第8話 一人焼肉 
3. 『孤独のグルメ』Season3 第2話 パタン
4. 『孤独のグルメ』Season5 第12話 一人すき焼き
5. 『ワカコ酒』Season6 第2夜 揚げ餃子
6. 『晩酌の流儀』Season1 第5話 2種のつけ汁蕎麦
7. 『孤独のグルメ』Season6 第3話 ブリック/Season4 第4話 チーズクルタ
8. 『絶メシロード』Season1 第7話 オムライス
9. 『絶メシロード』Season2 第5話 タンメン
10. 『孤独のグルメ』Season3 第11話 おにぎり

グルメドラマのパイオニアにして至高の『孤独のグルメ』

 テレビ東京の孤食系グルメドラマのパイオニアといえば、やはり松重豊主演の『孤独のグルメ』だ。現在はSeason10まで作られ、大晦日のスペシャルは毎年恒例となっている。日本橋の黒天丼、西巣鴨の一人すき焼きや、箱根のステーキ丼、青山の毛沢東スペアリブ、池袋の汁なし坦々麺、北千住のタイ料理、大岡山のなめろう冷茶漬け……。様々ある中で、料理だけでなく食べるシチュエーション込みで選びたいのが、Season5の第10話「江東区亀戸の純レバ丼」。話は五郎(松重豊)が腰を痛めて入院し、塩気のない病院食で我慢しているところから始まる。先生が美味しい餃子の食べ方の話をしたり、入院患者が塩辛の話をしているのを聞き、眠れないほど塩辛いものが食べたいと悶々とする中、翌日退院して、「やんちゃなメシをガツガツ食いたい気分……」と目に入ったラーメン屋に入店。とりあえず餃子と純レバ丼を注文。夢にまで見た院長推薦の餃子を酢と胡椒、ラー油で食べて満足し、そしてネギが山盛りの純レバ丼を出所飯のごとくガツガツ食べる五郎。レバーなので好みは分かれると思うが、「空腹は最高の調味料」という言葉があるように、塩気を我慢した後の純レバ丼をかき込む。そして最後に満足したかのように一杯の水を飲む。このマラソンゴール後の水のように開放感を感じる〆の一杯が本当に最強なのではないだろうか。

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 『孤独のグルメ』は毎シリーズ登場する焼肉回が人気だが、本作において“最初の神回”と呼ばれ、『孤独のグルメ』の新ドラマとしての勝利が決定した回が、Season1の第8話「神奈川県川崎市八丁畷の一人焼肉」。カウンターに一人につき一つの焼網があり、カルビ・ハラミ・コプチャンなどを立て続けに注文。山盛りになったキャベツを最初は丁寧に味わうも、そのおいしさにテンションが上がっていき、「うおォン、俺はまるで人間火力発電所だ」とただひたすらに食べ続ける。この回はもう誰もが焼肉を食べたくなり、一人焼肉という概念を正当化した、ブームの火付け役とも言える『孤独のグルメ』のベストオブ神回だ。

 また毎シリーズ1回は多国籍料理も登場し、中でも印象的なのはSeason6の第3話「杉並区西荻窪のラム肉のハンバーグと野菜のクスクス」というモロッコ料理回で前菜として出たブリック。店員姉妹の美しさもさることながら、春巻き状態の料理にレモンをかけ、ナイフで真ん中を割ると中からジュワーっと卵の黄身が出てきて、皮のパリパリ食感と一緒に食べる絶妙なハーモニーが画面の向こうから伝わってきた。そして、Season4の第4話「江東区 木場のチーズクルタとラムミントカレー」回での、もちもちのナンでたっぷりのチーズを包み焼き上げたインド流ピザのチーズクルタ。熱々のチーズがとろけ、ハフハフと食べるその恍惚感……。

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 11年続くこのシリーズでもSeason3が一番勢いに乗っていた神シリーズだと個人的には思う。初回のうな丼から始まり、第3話の伝説のわさび丼。第6話の店外にエスケープするほど煙が充満する板橋のホルモン。第7話のマッシュルームガーリックとカキグラタン。第10話のミニミニセットの豚の角煮を揚げたトロけるトンカツなど、毎回が神回。その中でも第2話「神奈川県横浜市日ノ出町のチート(豚胃)のしょうが炒めとパタン」回での、豚のホルモン料理が中心の中華屋で、常連御用達の裏メニュー・パタン。生にんにくを和えた麺というシンプルなもので、中華スープに浸しても美味しいという。「あさってまで(臭いが)残っちゃうよ」と言う常連客役の不破万作がいい味を出していて、そうした雑多な店の雰囲気込みでとにかく美味しそうで、この背徳感がたまらない。

 そして、第11話「新潟県十日町市のドライブインの牛肉の煮込みと五目釜めし」回の釜飯ではなく、持ち帰りで注文した海苔も具材も無い塩おにぎりをあえて推したい。田んぼの稲穂の中に佇み、「稲穂を見ながら食べるおにぎり、堪えられない。米って何処まで美味いんだ?」と景色とともに米を味わう。新潟出張ならではのエンディングだが、ここまで様々な料理を食べてきた中で、最後は日本の食の原点とも言える米だけを味わう最高の贅沢。これが最終回で良かったのではと思うほど、ドラマとしての神回だ。

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 このままでは『孤独のグルメ』で終わってしまうので、他のドラマを見てみたい。

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