『劇場版 呪術廻戦 0』で“語られなかった”夏油傑と五条悟の言葉 第2期への最大の伏線が
さらに、『劇場版 呪術廻戦 0』はシリーズ第2期の放送を控えた今だからこそ、ファンにとってもう一度おさらいしておきたい要素も盛り込まれている。それは、第2期の鍵となる夏油傑と五条悟の過去の友情について描かれる場面だ。劇場版に登場する夏油は乙骨と対峙する悪役ポジションに立っていたが、五条とは親友としての信頼関係も過去にはあった様子がうかがえた。非呪術師を「猿」と呼ぶ夏油が一瞬見せた、“五条悟の親友”としての顔をもっと観たいと願ったファンも多いだろう。
劇場版で描かれる夏油と五条の絆といえば、公開当初、夏油の「最後くらい呪いの言葉を吐けよ」というセリフの直前、五条が告げた“ある言葉”について、さまざまな考察が飛び交った。原作者の芥見下々が公式ファンブック内で「0巻の中で言ってます」と公言していることから、結果として「僕の親友だよ たった一人のね」が最有力候補として解釈されるようになったが、この言葉自体が続く第2期への最大の伏線であったとも考えられる。高専時代の五条と夏油を描くとアナウンスされているシリーズ第2期。彼らの青春時代が明らかになったとき、劇場版で夏油が掲げる大義への見え方も変わってくるのかもしれない。
『劇場版 呪術廻戦 0』さらには『呪術廻戦』「懐玉・玉折」と、時間軸が戻っていく形で物語が展開を重ねている本シリーズ。時を越えてもなお、完全には白黒つかない決着に、呪霊と人間との根深い因縁を感じさせられる。現在の世界線で繰り広げられる虎杖たちと敵とのバトルの魅力はシリーズに欠かせないものではあるが、少し視点を広げて、過去の呪術師たちが残してきた想いや繋いできた絆に目を向けてみても面白いだろう。祈本里香と向き合う乙骨、夏油との思い出を胸に秘めた五条、己の大義を貫いた夏油……『呪術廻戦』を誰の視点からの物語と観るかによっても、楽しみ方は変わってくる。『劇場版 呪術廻戦 0』、そして続く『呪術廻戦』「懐玉・玉折」は、“虎杖の物語”としての今を、良い意味で壊してくれる。
■放送情報
『劇場版 呪術廻戦 0』
MBS/TBS系にて、7月5日(水)19:00~放送
キャスト:緒方恵美、花澤香菜、小松未可子、内山昂輝、関智一、中村悠一、櫻井孝宏
原作:『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』芥見下々(集英社 ジャンプ コミックス刊)
制作:MAPPA
©2021「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 ©芥見下々/集英社
公式サイト:jujutsukaisen-movie.jp
公式Twitter:@animejujutsu