『だが、情熱はある』に込められた人類愛 山里亮太と若林正恭はカッコ悪いからカッコいい

 誰の人生にも、ヒントを与え、影響を与え、分かれ道に立って道標になってくれる人がいる。もちろん、相方であるしずちゃんと春日もそこに含まれることは言うまでもないだろう。このドラマは「縁(えにし)」の物語でもあるのだと、強く感じる。こうした人生のキーパーソンたちについて、山里と若林自身が著書・テレビ・ラジオの中でくり返し語り、感謝を捧げている。「引き寄せ力」と「愛され力」。これもふたりの稀有な才能のひとつといえる。

 人が本気で悔しかったり、惨めだったりする話は面白い。カッコ悪いことは、なんてカッコいいんだろう。冒頭のナレーションで「何の参考にもならない」と自嘲しているが、実はこのドラマ、とても普遍的で、本質的なことを描いた物語ではないだろうか。ダメな自分を否定しなくてもいい。「だったらどうする?」を考えればいい。カッコつけるのをやめて、がむしゃらになって奮い立ったとき、誰だって、いつだって、「こっから始まんだ」という時がくる。

 これは、「ふたりの本当の物語」。肥大化した自意識を持て余した「こじらせモンスター」山里と若林が、もがいて、あがいて、周囲の人たちの愛と助けと、人生のヒントを得て、人間になっていく物語。そしてこのドラマは見終わった私たちに、「で、君らはどうする?」と突きつけてくるのだ。

■放送情報
日曜ドラマ『だが、情熱はある』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:髙橋海人(King & Prince)、森本慎太郎(SixTONES)、戸塚純貴、富田望生、三宅弘城、池津祥子、ヒコロヒー、渋谷凪咲(NMB48)、中田青渚、箭内夢菜、森本晋太郎(トンツカタン)、加賀翔(かが屋)、賀屋壮也(かが屋)、藤井隆、坂井真紀、白石加代子、光石研、薬師丸ひろ子
脚本:今井太郎
演出:狩山俊輔、伊藤彰記
プロデューサー:河野英裕、長田宙、阿利極
チーフプロデューサー:石尾純
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/daga-jyounetsu/
公式Twitter:@daga_jyounetsu

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