古川琴音が『ペントレ』で最も驚いたシーンは? 山田裕貴ら共演者たちの“強さ”を明かす

古川琴音が『ペントレ』で得たもの

俳優5年目での変化

――山田さん、赤楚さん、上白石さんと共演されてみていかがですか?

古川:みなさんそれぞれキャラクターと重なる部分をお持ちで、山田さんは直哉の性格そのものに私には見えています。違う部分を言うなら、直哉が“引いて見ている人”で、山田さんは“中に入ってみんなを引っ張ってくれる人”。直哉は理想ばかりを述べないで、自分たちが1人でも多く生き残るにはどうしたらいいかを考えて、厳しい言葉をかけられる強さを持ってる人ですけど、山田さん自身も、みんなのためを思う優しさと、それを伝えられる強さがある方だなと思いました。赤楚さんは「正義の人」みたいな役をやっている印象があったので、大人しくてクールな方なのかなと思っていたら、本人はすごく面白くておちゃめな人で(笑)。みんなにイタズラをしかけたりとかしていて、「玲奈これあげる」と言われてパって出したのが本当のカエルだったんです(笑)。チャーミングな人で、そこは役とのギャップを感じます。萌歌ちゃんは、紗枝みたいな無条件の優しさというか、愛情深さがある人。私たち以上に大変なスケジュールの中、毎日体力を削りながら撮影していると思うんですけど、それを見せずに周りの人をすごく気遣ってくれるんです。「昨日寝れた?」とか、「ちゃんとご飯食べてる?」とか、そういう声かけを積極的にしてくれる優しい人だなと思います。

――これまでの撮影で、台本を読んだときの印象と違ったり、驚かされたようなシーンはありましたか?

古川:第1話の、山田さんが崖から這い上がってきて「疲れた」と涙を流すシーンです。私は台本をそこまで深く読めていなかったので、崖から上がって、もういろいろ疲れた……くらいにしか受け取ってなかったんですけど、ただ「疲れた」っていうその一言に、直哉の過去の部分がにじみ出てたというか。弟のことだったり、ペンディングされる前に自分が抱えてきたものをすごく感じて、切なくなりましたね。

――上白石さんも同じシーンを挙げられていたので、演者さんから見てすごく惹かれるお芝居だったんですね。役者としての山田さんの魅力についても聞かせてください。

古川:山田さんのシーンが始まると、空気がガラッと変わるところ。もちろん直哉の言葉だったり、そのシーンでの直哉の役割とかもあると思うんですけど、それ以上に、山田さん自身が伝えたいものが直哉に乗っかってきている感じがします。なので、より説得力があるというか、山田さんを通した直哉の言葉を聞いて、みんなのお芝居が動き出すような力を持っていらっしゃるのが素晴らしいなと思います。

――古川さんご自身は、俳優5年目を迎えて、成長したと感じる部分はありますか?

古川:まだわからないんですよね……もう5年もやってきたんだっていう驚きの方が強くて。もっともっと自分自身と役を繋げられるというか、もっと役と自分を一体化させたいんですけど、まだまだそこにまで至ってないかなと思っています。

――演じることの楽しさや難しさは、年々変化していますか?

古川:いいことなのか悪いことなのかはまだわからないんですけど、自分自身を客観的に見られるようになってきてしまっている気がします。そうすると、お芝居したときに心でカバーできないことを形に逃げてしまう。そういう計算が働くようになったというのが、最近の悩みではありまして(苦笑)。もちろん台本の読み込みは昔よりも深くしていきたいんですけど、お芝居をしているときは初心というか、自分に制限をかけたり、何か予想をしたりせずにできるのがいいなと思っています。

――今回の玲奈役で得たものがあれば教えてください。

古川:今回チャレンジしたのは、声のトーンを変えてみること。いつもの自分の振れ幅では話していないので、なかなか感情表現が難しいなと感じています。あとは、玲奈自身の猪突猛進で、考えるよりも先に行動するようなところから、「何でもいいからやってみよう」というパワーは自然ともらっているような気がします。

――古川さん自身はそういうタイプではない?

古川:半々なんですよね。たとえば、衝動で事務所に応募して、今この仕事していると思うんですけど、些細なことで臆病でもあって。「今、このタイミングでこれをしていいんだろうか」って考えすぎて動けなくなることもたくさんあるので、半々かなと思います。でも、これからは少しバカになって(笑)、玲奈のようにどんどん進んでいきたいです。そのほうが、女優としての進み度合いがスピーディーなんじゃないかなと思っています。

■放送情報
金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:山田裕貴、赤楚衛二、上白石萌歌、井之脇海、古川琴音、藤原丈一郎(なにわ男子)、日向亘、片岡凜、池田優斗、金澤美穂、宮崎秋人、村田秀亮(とろサーモン)、志田彩良、白石隼也、大西礼芳、坪倉由幸(我が家)、山口紗弥加、前田公輝、濱津隆之、杉本哲太、松雪泰子
脚本:金子ありさ
演出:田中健太、岡本伸吾、加藤尚樹
プロデューサー:宮﨑真佐子、丸山いづみ
編成:吉藤芽衣、平岡紗哉
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/p_train823_tbs/
公式Twitter:@p_train823_tbs
公式Instagram:p_train823_tbs

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