『それパク』重岡大毅の“ヤバい”姿が第6話の最後に 確実に縮まる亜季と北脇の距離

『それパク』第6話、重岡大毅の“ヤバい”姿

 『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ系)第6話は、やたらと「ヤバい」というワードが頻発する回だ。

 「ヤバい」という言葉は本来「非常に悪い」「不都合である」という否定の意味を持つ言葉。ほかにも「かわいくない?」は「かわいい」のか「かわいくない」のか、劇中には出てきてはいないが「エモい」もまた「感情が揺さぶられる状態」という範疇を超えた若者言葉として広く使われている。合理的で完璧主義の北脇(重岡大毅)による言葉警察が発動するわけだが、第1話から「たわわわん」「きゅるんきゅるん」と擬音を多用している亜季(芳根京子)は「ヤバい」を使う、肯定派。「曖昧で主観的な意見こそ何より大事なものじゃないですか?」と提言する。

 第6話のキラーフレーズ「『ヤバい』で特許を取るんです」が示すように、「曖昧なものの中にも価値はある」のだと、北脇は「官能評価」に特許出願への可能性を見出していく。筆者が今回のストーリーの中で面白いと感じたのは、あえて特許を出願しない、陣を取らない戦い方もあるという話だ。特許というのは、ある意味での諸刃の剣。審査を通過して登録されれば、権利は守られる代わりに全世界にその技術が公開されてしまう。つまりは特許を参考にして、改良発明することも可能。特許権自体出願から20年しか存続せず、期限が切れれば誰でも堂々と真似したい放題になってしまう。

 ドラマ内で実際に例として登場する「ケンタッキーフライドチキン」はその代表で、チキンのレシピを特許出願していないからこそ他社が真似できない唯一無二の味を今日まで守り続けている。ほかでは、「コカ・コーラ」の原液のレシピが有名どころだろう。それと同じ理由から北脇は月夜野ドリンクが開発する「カメレオンティー」を特許出願していなかったのだ。

 第5話から展開されている北脇とゆみ(福地桃子)、亜季と五木(渡辺大知)のカップリングにもそれぞれ進展があった。北脇は亜季と五木が付き合っている、亜季は北脇とゆみが付き合っているという双方の勘違いは解消されるも、第3者からは当事者が思っているのとは違って映っていた。亜季の良き先輩で気心の知れた仲のさやか(朝倉あき)は、亜季と五木が「実はいい感じかも」と思っていた。さらに、同じ知財部として亜季と北脇の側にいる部長の熊井(野間口徹)は、2人のことに興味津々。物陰からじっと2人だけのやり取りを覗く熊井が、実は亜季と北脇を結ぶキーパーソンになる予感もしてくる。第1話から話には出てくるが叶っていない釜炊きご飯を亜季と北脇が食べに行く、なんて展開があれば最も嬉しいのはきっと熊井だろう。

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