宇野維正の興行ランキング一刀両断!

初登場5位でも健闘の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』

 ゴールデンウィークのピークタイムと重なった先週末。日本全国の劇場は空前の活況を呈した。2000年以降で年間興行収入が歴代最高を記録した2019年のゴールデンウィーク興行(集計期間4月29日~5月5日)と比較して、動員で112.6%、興収で119.1%(いずれも興行通信社調べ)という記録的な成績を計上。大手映画興行チェーンのTOHOシネマズは、ゴールデンウィーク興行(集計期間4月29日から5月7日)の興行収入が過去最高の44億7000万円に達したと発表。これまで最高の売上げだった2019年を26%も上回った。前年比では106%増と2倍以上。ひとまず、日本の映画興行はここに力強く完全復活を遂げた。

 先週末の興行を異次元の成績で牽引したのは、2週連続1位となった『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』だ。金、土、日の3日間の動員は174万6000人、興収は24億7300万円。実に、公開週だった先週の週末との興収比で134.2%という凄まじい成績。5月7日までの公開10日間で早くも興収65億3873万円を記録している。

 2位から4位までも前週と変わらず。2位の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は週末3日間の動員が85万1000人、興収が11億9000万円。5月7日までに累計興収103億円を超えて、シリーズで初の100億円突破を果たした。3位の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』は週末3日間の動員が54万1000人、興収が7億3700万円。4位の『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』は週末3日間の動員が24万6000人、興収が3億3400万円。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』と『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の陰に隠れている感もあるが、公開2週目の週末での興収24億円を突破している劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』は、今年に入って公開された実写映画としては外国映画を含めても最高のペース。

 初登場作品で最高位につけたのは5位の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』。5月3日(水)の公開から5日間で動員43万2000人、興収6億7300万円。4年前のゴールデンウィークに公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、ようやくゴールデンウィーク興行の主役の一角に食い込んだマーベル・シネマティック・ユニバース作品だったが、今やすっかり脇役に戻ってしまった。

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