『ラストマン』吉田羊、頼れる上司としての完璧な姿 佐久良円花のスピンオフも希望

『ラストマン』吉田羊のスピンオフも希望

 日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)の第2話で、大泉洋演じる警部補・護道心太朗の過去が明らかになった。それと同時に捜査一課の主任・佐久良円花(吉田羊)と心太朗が昔、恋愛関係にあったことも分かった。

 心太朗は、代々警察庁長官を務めあげてきた由緒正しい護道家の人間として育ったものの、出世には興味なし。ただし、犯人検挙のためには手段を選ばず、佐久良からも「昔から何考えてるかわからないとこあったから」と言われるくらい単独行動が多めで、警察内部にも敵は多い。恋人だった佐久良にさえ、自分の過去や本心、家族のことを話していない。

 悪に対する怒りが人一倍強く、捜査中でも暴走しがちな心太朗のことをクールな態度を崩すことなく、密かに心配している佐久良のけなげさ、この凛々しさのさじ加減こそ吉田羊の真骨頂。仕事をそつなくこなし、細やかな気配りができる大人の女性として完璧でありながら、かわいげもある。

 NHK連続テレビ小説『純と愛』では、ヒロイン・純(夏菜)が修業した一流ホテルのクールな上司・桐野富士子を演じた吉田羊。2013年4月20日にNHK BSプレミアムで放送された同ドラマのスピンオフ『富士子のかれいな一日』では、仕事上“鉄の女”と呼ばれる富士子の仕事では見せない表情にスポットを当てた作品が作られた。

 本作でも、捜査中のキリッと引き締まった顔と、部下を連れて仕事終わりに町中華でビールを飲みながら餃子を頬張る寛いだ顔はどちらも魅力的で、佐久良円花のスピンオフがあったら是非観たいと思わせる演出が施されている。エンターテインメント作品として面白いだけでなく、登場人物それぞれにある背景が興味深く、会話一つ一つの意味を考えてしまうのだ。

 本作の主人公・皆実(福山雅治)は強引に捜査に加わり、時に飄々とした態度で佐久良をからかったりもする。「護道さんのことを本気で心配している佐久良さんにだけは教えようと思ったのですが」と、心太朗の実の父親が強盗殺人事件だったこと、現在も服役中であることが世間に知られたことを心配する佐久良を心の内を見透かすような皆実。佐久良はそんな皆実に「心配してません」とキッパリ言い返すものの、気持ちはそこまで割り切れていなかったようだ。

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