『東京リベンジャーズ2』の“託す”カッコよさがたまらない 吉沢亮、永山絢斗らの過去に涙

『東京リベンジャーズ2』の“託す”カッコよさ

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、小学6年生のときに殴り合いの喧嘩で負けてしまった過去を持つ間瀬が『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 ‐運命‐』をプッシュします。

『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』

 筆者はこれまでに原作漫画もアニメも(もちろん実写版第1作も)全部観ていた。つまり「血のハロウィン編」を観るのは本作で3回目になるわけで、新鮮な感動はもはや起こり得ないはずだった。しかし、実写版第2作である本作には『東京リベンジャーズ』という作品の魅力が全部詰まっており、その人間ドラマに図らずも感激してしまった。

 つくづく『東京リベンジャーズ』はヤンキーものとして不思議な作品だと思う。主人公のタケミチ(北村匠海)は喧嘩も弱く、頭がキレるわけでもない。マイキー(吉沢亮)もドラケン(山田裕貴)も、東京卍會のメンバーは全員根が優しすぎるし、それぞれが抱えている過去や問題も重いものばかり。“ヤンキーもの”といえば『ごくせん』(日本テレビ系)のような青春謳歌系、『クローズ』のような喧嘩に明け暮れる系などシンプルなものが多い中で、なぜ『東京リベンジャーズ』に惹かれてしまうのか。考えてみると、理由はすべてタケミチが弱い存在であることに繋がる。

 タケミチはフィジカル的には弱い存在であり、タイムリーパーという傍観者であるという設定のため、限りなく一般市民である私たち視聴者の感覚と近いのだ。実写版第1作の『東京リベンジャーズ』ではタケミチが成長していく姿が描かれて、成長譚としての気持ちよさがあった。本作ではタケミチは2回目のタイムリープとなり、精神的にも立場的にも少しだけ強くなる。そこで見えてくるのが、東京卍會のメンバーをはじめとした登場人物たちの真の魅力だ。

 前編で最も見どころなのは、東京卍會結成の頃のシーンだ。単車で走る仲間たちの後ろを原付でトコトコとついていくマイキー、屈託のない笑顔を見せるドラケン、「俺たちは特攻隊だ!」とパーちん(堀家一希)と肩を組む場地圭介(永山絢斗)などなど、愛おしくて切ない東京卍會のメンバーたち。『東京リベンジャーズ』はタケミチ目線でアツい男たちの物語を目撃していくわけだが、その過去まで見せられると心がグッと持っていかれてしまう。

 そして『東京リベンジャーズ2』では様々なバディの関係が生まれるのだが、場地と千冬(高杉真宙)の関係性には、そのカッコよさに多くの人が惚れてしまうはずだ(筆者にとってもベストバディである)。詳細は後編も含めてぜひ劇場で観てほしい。

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