『Get Ready!』沢村一樹が最強の敵として登場 闇医者という矛盾に満ちた存在をどう見るか

『Get Ready!』最強の敵・沢村一樹

 『Get Ready!』(TBS系)第9話では、エース(妻夫木聡)率いる闇医者チームの仮面ドクターズが分裂の危機に見舞われた。

 第9話の患者は剣持玲於奈(結城モエ)。因縁の相手、千代田医科大院長の剣持(鹿賀丈史)の娘である。がんに冒された玲於奈は通常の手術では治療が困難な状態だった。玲於奈の婚約者で外科医の染谷(一ノ瀬颯)は、剣持に仮面ドクターズに手術を依頼することを提案する。

 同じ頃、エースも玲於奈を次の患者候補に挙げていた。エースが玲於奈を救うことにこだわる理由は、剣持に復讐することにあった。13年前、エースこと天野真一を医学界から追いやった剣持から全財産を取り上げ、自らの罪を告白させたい。そんなエースの行く手をさえぎったのは仲間であるはずのジョーカー(藤原竜也)で、警察の捜査が迫る中で、正体がバレる危険を冒して手術を行うことに反対する。しかし、エースは「俺たちの仕事が危険なのは承知の上」と返し、2人の主張は平行線をたどる。

 ドラマ終盤に入っても仮面ドクターズを逮捕できない警察は、ついに最強のカードを切ってきた。警視庁副総監の高城(沢村一樹)はジョーカーの正体が弁護士の下山田譲であるとつかんでおり、特務捜査課長の佐倉(矢島健一)をともなってオフィスを訪ねてくる。高城の調べによると、アメリカで手術を行っていた仮面ドクターズは2年半前から日本に出没しており、ちょうど下山田が拠点を日本に移した時期と一致していた。

「リスクの高い日本で、闇の手術を請け負うことを決めたのは、あなたではない?」

 ゆったりとした口調で言葉を選びながら、それでいて思考は明晰そのものの高城は、仮面ドクターズが日本で手術する理由を探っていて、そこにエースの意向が働いていると見抜く。結果的に高城の予想は的中したわけだが、ジョーカーの制止を無視してエースは剣持と直接交渉。手を引くよう進言するジョーカーに、エースは「あいつが過去の罪を認めるとしたらこれしかない」と激高する。

 天野が下山田の命を救ったことが闇医者チームのはじまりだった。「俺たちはしょせん犯罪者だ」というエースに対して、ジョーカーは「俺はこれからも誰かの絶望的な命を救っていきたいんだ」と話す。エースが復讐にこだわる一方で、ジョーカーは仮面ドクターズを続けていくことに意味を見出していた。溝は埋めることができず、エースとジョーカーは決裂してしまう。

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