『舞いあがれ!』万葉集に重ねた赤楚衛二の本心 貴司が史子を拒んだ理由は?

『舞いあがれ!』貴司が史子を拒んだ理由は?

 気持ちはそこにあるのに言葉が見つからない。『舞いあがれ!』(NHK総合)第95話では思いあう二人が言葉を探してさまよう。

 史子(八木莉可子)が来てからというもの、舞(福原遥)はデラシネからすっかり足が遠のいてしまった。子どもたちのたまり場だった店内には北條(川島潤哉)と史子が居座り、デラシネにいづらくなった貴司(赤楚衛二)は公園で歌作をする。北條に相聞歌10首をリクエストされた貴司だったが、一首も詠めないまま時間だけが過ぎていった。

 同じ頃、舞はIWAKURAのブログを立ち上げるため、社員へのインタビューに着手。舞は笠巻(古舘寛治)をつかまえて「IWAKURAで作ったねじは何十年も残ります。けど、ねじを作った職人さんの気持ちは残りません。私は、ほっといたら消えてしまうその気持ちをなんとか残して伝えたいんです」と意義を説明する。

 情熱的に語る舞。誰かの思いを残すことには一生懸命になれるのに、自分のことになったとたん引っ込み思案が顔を出すのは、幼い頃の舞を見ているようだ。このところ沈みがちだった娘にめぐみ(永作博美)は「もうちょっとわがままになったら?」と声をかける。「ホンマに人好きになる時なんか、一生のうちなんべんもあれへんねんで。そん時ぐらい自分の気持ちのままに動いたらええねん」と自らの経験をもとに話した。

 それを聞いた舞はうめづへ。貴司はいなかったが、店先で史子と鉢合わせしてしまう。一瞬目を合わせ、気まずい表情をした史子は前に出て「先生のことどう思ってはるんですか?」。史子はずっと気になっていたのだろう。貴司への思いを宣言した史子は、デラシネに向かう。「私、先生の灯になりたいです。ずっとそばにおって、先生のこと明るくしたり、あっためたりしたいです」。史子の告白に貴司は「ごめん」と一言。歌人として尊敬し、歌の世界を共有できるが、それ以上の関係にはなれないと知らせた。

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