浦沢直樹×手塚治虫『PLUTO』Netflixで初のアニメ化 ゲジヒト&アトム登場の制作決定PVも

浦沢直樹×手塚治虫『PLUTO』アニメ化

 浦沢直樹の漫画『PLUTO』がNetflixでアニメーションシリーズ化され、2023年に独占配信されることが決定した。

 『20世紀少年』『YAWARA!』『MASTERキートン』など数々のヒット作を生み出している浦沢。『PLUTO』は、手塚治虫が生み出した『鉄腕アトム』の一篇『地上最大のロボット』を原案に、浦沢が長崎尚志をプロデューサーに迎え、人間と高性能ロボットが完全に共生する近未来で起こるサスペンスドラマとして描きあげた。手塚治虫文化賞マンガ大賞をはじめ、2011年アングレーム国際漫画フェスティバルにてインタージェネレーション賞、そのほかACBDアジア賞などを受賞。2015年に舞台化され、2018年には好評につき再演を果たし、日本のほか、イギリス、オランダ、ベルギーと欧州ツアーも敢行された。

 誕生から20年となる『PLUTO』がアニメ化されるにあたり、原作者の浦沢は「今回のアニメ化に挑むスタッフの皆さんの勇気に心から拍手を送るとともに、新たな『心の作品』の誕生に心躍っています。今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように」と自らの創作時を振り返りながら、期待を寄せた。

 原作プロデュースを手がけた長崎は「『PLUTO』はその手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平和しかないということを世に問いたい作品なのだ」と物語に込められた想いに触れた。

 そして、父・治虫の意思を引継ぎ、本作の監修を務める手塚眞は「これは新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメでもある。アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみだ」とアニメの新たな1ページに期待を寄せた。

 アニメ化にあたり、制作プロデュースをジェンコ、アニメーション制作をスタジオM2が担当。エグゼクティブプロデューサーには真木太郎、丸山正雄が名を連ねる。丸山は、かつて手塚治虫が設立した虫プロダクションにてキャリアをスタートさせ、その後マッドハウスやMAPPAなどを設立、これまでの浦沢原作のアニメ作品のプロデューサーを務めてきた人物だ。

アニメ『PLUTO』制作決定PV

 あわせて、本作の制作決定PVも公開。物語の主人公であるユーロポールのロボット捜査官・ゲジヒトと、彼が追うある事件に関わるアトムとウランという2人のロボットも登場している。

 ゲジヒト役にはダニエル・クレイグの吹き替えを担当している藤真秀、アトム役には『SHAMAN KING』の主人公・麻倉葉や『けいおん』の秋山澪役で知られる日笠陽子が決定。そしてウラン役は、『マクロスΔ』にてヒロインのフレイア・ヴィオンを演じ、今年歌手活動5周年を迎えた鈴木みのりが担当する。

 さらに、3月25日と26日に東京ビッグサイトにて開催される「AnimeJapan 2023」に原作者の浦沢が初参加することが決定。25日の「BLUE STAGE」にて実施される「ネトフリアニメ スペシャルステージ」に、浦沢をはじめ、手塚眞、日笠、鈴木が登壇する。

コメント

浦沢直樹

60年前の発表以来、その言いようのない切なさに私の心が揺さぶられたように、多くの人の「心の漫画」となった『鉄腕アトム』の挿話「地上最大のロボット」。
この作品のリメイクがいかに難事業かを身をもって知る私は、今回のアニメ化に挑むスタッフの皆さんの勇気に心から拍手を送るとともに、新たな「心の作品」の誕生に心躍っています。
今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように。

長崎尚志

60年前、『PLUTO』の原作『地上最大のロボット』が誕生した。
最強の戦闘能力を持つロボット達が競う物語だったが、これまでのアトムにはこの手の対戦形式の作品はなく、当時の少年達は熱狂した。アトムファンというより『地上最大のロボット』ファンの誕生だ。その渦中にいた私は、この作品が単に誰が強いかを描いた作品ではなく、もっと深い何かを伝えたいのではないか、と感じていた。そして『PLUTO』に挑んだ時、答えが出た。手塚治虫は預言者だったのだ。現代、我々が直面している戦争とは、東西の文化や考え方の違いを理解し、尊重しなかった結果である。『PLUTO』はその手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平和しかないということを世に問いたい作品なのだ。

手塚眞

ついに、やっと、『PLUTO』がアニメになる。いつかこれは映像にされるべきだと思っていた。
何度も企画が立ち上がりまた消えていったのは、その内容の難易度の故だ。確かにハードルが高い。
しかしだからこそ挑戦のしがいがある本物中の「本物」だ。
そしてこれは新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメでもある。
アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみだ。

■配信情報
Netflixシリーズ『PLUTO』
Netflixにて、2023年独占配信
原作:『PLUTO』浦沢直樹・手塚治虫
プロデューサー:長崎尚志
監修:手塚眞
協力:手塚プロダクション(小学館ビッグコミックス刊)
アニメーション制作:スタジオM2
制作プロデュース:ジェンコ
声の出演:藤真秀、日笠陽子、鈴木みのり
公式サイト:https://pluto-anime.com
公式Twitter:https://twitter.com/pluto_anime_

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