『劇場版ポルノグラファー』も“新作”に? 日本初の「Dual 3D」を担当者に聞く

 どんな作品でも、3D化できるとなると、当然そこには新たな“演出”も必要になるため、編集時に監督のチェックが行われているようだ。

「今回のやり方で言えば、強・中・弱といくつかのパターンを作って、どのシーンがどれぐらいの3Dの強さにするかを監督に判断していただいています。また、3D化で観る際と、2Dで観ていただく際に明るさが変わってしまうので、色味も再調整しています」(山本)

 そして、次に気になるのは、その技術を生かすにはどんなハードルがあるのかというところ。しかし、驚くことに、映画を上映する映画館側には新たな機材などは必要ないという。

「映写機、3Dメガネともに、これまでの3D作品の上映設備がある映画館であれば、追加の機材を用意していただく必要はございません。旧作の3D化に関しても、これまでの3D作品の制作より安価な価格で実施することができます。制作期間、費用、両方の面を考慮しても、今後、別作品でも実施していくことが可能なのではないかと考えています」(山本)

 上映する映画館側のハードルがないのは非常に大きい。近年、旧作のデジタルリマスター化や4K化が盛んに行われ、美麗な映像で旧作を観る需要が高まっているが、そこにさらに「3D化」も加わるだろう。しかも、3D/2Dどちらにも対応可能であり、観客側が選べることも大きい。『劇場版ポルノグラファー「Dual 3D」』をきっかけに、新たな「Dual 3D」版作品が今後も生まれていきそうだ。

 『劇場版ポルノグラファー「Dual 3D」』では、木島理生(竹財輝之助)と久住春彦(猪塚健太)はどんな形で“浮かび上がって”くるのか。すでに鑑賞済みの方も、新たな体験を味わってほしい。

※「Dual 3D」は2023年2月時点、仮称であり今後名称が変更される場合がある

■公開情報
『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』「Dual 3D」
2月10日(金)~ 2月16日(木)1週間限定上映 
実施劇場:新宿ピカデリー・なんばパークスシネマ・ミッドランドスクエアシネマ
チケット販売:実施劇場のWEBサイト、窓口にて通常販売。通常の入場料金に準ずる(前売り券使用不可)
出演:竹財輝之助、猪塚健太、松本若菜、奥野壮、小林涼子、前野朋哉、吉田宗洋、大石吾朗
原作:丸木戸マキ(『續・ポルノグラファー プレイバック』祥伝社 on BLUE comics)
監督:三木康一郎
主題歌:鬼束ちひろ「スロウダンス」(ビクタ-エンタテインメント)
製作:松竹開発企画部
制作:株式会社フジテレビジョン
配給:松竹ODS事業室
©2021松竹株式会社 ©丸木戸マキ/祥伝社
公式サイト:https://pornographer-movie.jp/

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