宮城リョータがカッコよすぎる! 原作未読者が『THE FIRST SLAM DUNK』で受けた衝撃
そして本作の試合シーンは、香港映画の格闘アクションシーンを観ているような深い感動と興奮を覚える。恐らくモーションキャプチャーによって撮られたリアリズム溢れる試合シーンは、完璧にコントロールされたカメラワークと編集のリズムによってアドレナリンが吹き出す感覚を覚える。綺麗なパス回しに驚かされ、疾走感溢れるドライブに手に汗を握り、力強いダンクに興奮する。凄いのが、これほど複雑なバスケの試合をバスケの知識が『黒子のバスケ』と『フープメン』だけの筆者にも流れが完全にわかるように撮られているということだ。流れがわかるのでどのようなシーンで緊張し、どのようなシーンで興奮すればいいのか、言葉で語られずとも理解できる。だからこそ、『THE FIRST SLAM DUNK』は、完全初見の人でも楽しむことができるのだ。
話が凡庸な『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が3Dハイフレームレート版で観る者に衝撃与えたように、ストーリーをほぼ排し格闘アクションに徹した『ザ・レイド』が最高の興奮を与えたように、『THE FIRST SLAM DUNK』はその圧巻の試合シーンによって観る者に衝撃と興奮を与える。全く初見の人に深い感動を心に刻み付けるのだから、これこそまさに映像の魔力だろう。
そして『THE FIRST SLAM DUNK』の持つ映像の魔力は、やがて訪れるクライマックスにて頂点を迎える。あの無音の瞬間。どこまでも時間が圧縮され、心臓の音しか聞こえないあの体験。あれは2022年で最高の映像体験のひとつだった。アドレナリンがドバドバと吹き出し、血が沸騰するほどの興奮。今まで自分の人生に『SLAM DUNK』が関わってくることはなかったが、それでも断言できる。『THE FIRST SLAM DUNK』は最高の映画だ。
『THE FIRST SLAM DUNK』を観て、宮城リョータと湘北高校の物語を経た今、原作『SLAM DUNK』を読まないという手はない。今度、兄と会ったら『SLAM DUNK』を貸してくれないか聞いてみようと思う。果たして『THE FIRST SLAM DUNK』を経て読む『SLAM DUNK』はどのような漫画なのだろうか? 今、とてもワクワクしている。
■公開情報
『THE FIRST SLAM DUNK』
全国公開中
原作・脚本・監督:井上雄彦
演出:宮原直樹、北田勝彦、大橋聡雄、元田康弘、菅沼芙実彦、鎌谷悠
キャラクターデザイン:井上雄彦、江原康之
CG ディレクター:中沢大樹
作画監督:江原康之
サブキャラクターデザイン:番由紀子
モデルSV:吉國圭、BG
プロップSV:佐藤裕記、R&D
リグSV:西谷浩人
アニメーションSV:松井一樹
エフェクトSV:松浦太郎
ショットSV:木全俊明
美術監督:小倉一男
美術設定:須江信人
色彩設計:古性史織
撮影監督:中村俊介
編集:瀧田隆一
音響演出:笠松広司
録音:名倉靖
キャスティングプロデューサー:杉山好美
音楽プロデューサー:小池隆太
2Dプロデューサー:毛利健太郎
CGプロデューサー:小倉裕太
アニメーションプロデューサー:西川和宏
プロデューサー:松井俊之
声:仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太
オープニング主題歌:The Birthday(UNIVERSAL SIGMA)
エンディング主題歌:10-FEET(EMI Records)
音楽:武部聡志、TAKUMA(10-FEET)
アニメーション制作:東映アニメーション、ダンデライオンアニメーションスタジオ
配給:東映
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