『エージェントなお仕事』は笑って泣ける クァク・ソニョンらがスターを支える裏方に

 俳優たちを輝かせる裏方サポート“芸能エージェント”を舞台にした韓国ドラマ『エージェントなお仕事』。Netflixで配信中の本作は、実際のスターたちが多数登場し、芸能界の裏側を、笑いあり涙ありで見せるヒューマンコメディ作品だ。

 本作は、フランスのドラマ『Dix pour cent(原題)』をベースにリメイクした作品。本家フランス版はシーズン4まで『エージェント物語』としてNetflixで配信されている。韓国版リメイクされた本作では、芸能エージェント「メソッドエンター」でスーパーマネージャーとして働く、マ・テオ理事(イ・ソジン)、チョン・ジェインチーム長(クァク・ソニョン)、キム・ジュンドン(ソ・ヒョヌ)、新人マネージャーのソ・ヒョンジュ(チュ・ヒョニョン)を中心に、スターの裏方として俳優たちを支える彼らの奮闘が描れている。仕事だけでなく、恋愛、家庭などプライベートな苦悩や喜びなどの悲喜こもごもをオリジナルのストーリーを大枠にして脚色している。

 物語は、ヒョンジュが釜山からソウルにやって来て、メソッドエンターで働くところから始まる。ヒョンジュを演じるのは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』でトン・グラミを演じたチュ・ヒョニョンだ。グラミの時に見せたサバサバした大らかさと明るさに、少し明け透けさを感じさせるような姉御肌の様子は全く見る影もない。ヒョンジュとして、どこか幼さの残るあどけなさと、釜山出身の田舎の素朴さと純粋さを感じさせる姿に、一瞬グラミを演じたチュ・ヒョニョンかと目を疑うような幻惑されたような心持ちになる。見事な変わりようを魅せてくれて天晴れだ。

 新人マネージャーとして働くヒョンジュには、冒頭からテオとなにやら意味深な関係性を匂わせる。テオは、ヒョンジュがメソッドエンターで働くことに難色を示し、辞めさせようと画策する。そんなふたりの姿を不審に思うスタッフたち。自身の居場所を作るためにヒョンジュなりに一生懸命に働くが、それが思わぬ失敗に繋がることもある。

 チーム長であるやり手のジェインを演じるのは、『ボーイフレンド』で仕事ぶりはクールながらも熱いものを持った秘書役を演じた、クァク・ソニョンだ。野心家で仕事に長け、スターを輝かせるためなら多少のウソも辞さない、ジェイン。恋愛はいつも長続きせず、次々と男性遍歴を重ねてきたが、ノ・サンヒョン演じるイ・サンウクと運命の出会いを果たす。

 このサンウクとジェインのロマンスが、すこぶるいい。出会いの奇天烈感と、再会のクールでかっこよくセクシーなサンウクのギャップ! 罠に嵌めるつもりのジェインがどんどんサンウクの魅力にハマり、溺れるように恋愛にのめり込んでいく……。スターのマネージャという職業柄、どんな時も自分よりもスターを優先し、昼夜かまわず飛び回る。おのずと自分のプライベートは後回しになってしまい、サンウクとの恋にも亀裂が走る。毎話のエピソードに盛り上がりながらも、ずっとジェインとサンウクの恋が気になって仕方がなかった。今期『カーテンコール』でも重要な役柄を演じているサンヒョンの全身から放たれる匂い立つ色気。本作で秒で彼に恋した視聴者も多いだろう。今後の活躍がとても楽しみで、ぜひとも主演のメロ作品を観たい俳優だ。

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