『天使にラブ・ソングを…』続編企画も進行中 ウーピー・ゴールドバーグが歩んだキャリア
12月2日に『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送される『天使にラブ・ソングを...』。30年ほど前の映画でありながら、今もなおファンが多く、名作として語り継がれている作品だ。公開当時、アメリカでは6カ月を超えるロングランを記録。今でも、SNSなどで「Hail Holly Queen」の替え歌映像が流行り、過去にも『金曜ロードショー』で視聴者リクエストによって放送が決定するほど、日本でも根強い人気がある。
歌うことが好きなウーピー・ゴールドバーグ演じるデロリスは、昔から問題児。彼女は大人になり、ショーで歌手として働く傍らギャングの愛人として生きていた。ある時、殺害現場を目撃したことで彼女の身にも危険が迫ることになり、修道院に身をひそめなければならなくなる。初めは嫌がっていたデロリスだったが、賛美歌を通して彼女の人生は大きく変わっていく。
共演には、シスター役として『ハリー・ポッター』シリーズのマクゴナガル先生を演じたマギー・スミスも。名優たちの演技と、奏でられる音楽が人々の心を奪う。
この作品のために制作陣は、実際に俳優から修道女になったドロレス・ハートに取材をしたとのこと。「かくまってもらってるのに、死んでもいいの?」と思うほど、修道院に入っても自由奔放な性格であちこち動き回ってしまうデロリス。それでも彼女の性格が、修道院で真面目に暮らしていた修道女たちにとって少しのスパイスとなり、平凡な日々にドラマをもたらす。
ゴールドバーグは、イーロン・マスクが買収したTwitter社の行為に反論し、アカウントを削除したことで最近もニュースになった女優だ。『ゴースト/ニューヨークの幻』にも、霊媒師のオダ・メイ・ブラウン役として出演しており、その印象が強い人も多いだろう。
1986年に『カラーパープル』で映画デビューしたゴールドバーグは、キャリアの浮き沈みが激しかったが、『天使にラブ・ソングを…』への出演が決定したとき、すでに『ゴースト/ニューヨークの幻』でアカデミー賞助演女優賞を受賞するほどの実力を兼ね備えていた。当時、50年ぶりに黒人女性が受賞したことが大きく取り上げられた。その後、アカデミー俳優としてプレゼンターも複数回務めている。
『天使にラブ・ソングを…』出演後も、『コリーナ、コリーナ』『ライオン・キング』など、俳優としてはもちろん声優としても作品に出演するようになった。さらに『天使にラブソングを2』で、ゴールドバーグは1200万ドルのギャラを獲得し、ハリウッドで最も稼いだ女性俳優となったのだ。何より称えるべきなのは、EGOTと言われる、エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞をすべて獲得し、テレビ、音楽、映画、演劇すべての分野でトップの座に輝いたことだろう。