ニコラス・ホルトの“忘れられない一皿”は築地の寿司? 『ザ・メニュー』撮影の裏側を語る

ニコラス・ホルト、『ザ・メニュー』を語る

 海に囲まれた孤島のレストランを舞台にした映画『ザ・メニュー』が公開中だ。

 『クイーンズ・ギャンビット』のアニャ・テイラー=ジョイと『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のニコラス・ホルト演じるカップルは、なかなか予約の取れない一流レストランに招待される。カップルの男性・タイラーは熱心なグルメオタクで、運ばれてくる料理の数々に感銘を受ける。だが、そのメニューにはレイフ・ファインズ扮する有名シェフによる、不穏な“サプライズ”が仕掛けられていた……。

 リアルサウンド映画部では、タイラー役のニコラス・ホルトにインタビュー。“食”に対する考え方や日本で食べた忘れられない一品について聞いた。

ジム・キャリーとロビン・ウィリアムズから受けた影響

――“食”がテーマの作品ですが、食べることと作ることのどちらが好きですか?

ニコラス・ホルト(以下、ホルト):撮影がなくてイギリスにいるときは、よく料理をします。特にパンを焼くのが好きで、パンのレシピ本を見ていると、材料のグラム数や適切な温度など、科学の実験をしているような気持ちになります。でも、どちらかというと食べる方が好きですね。この映画に出演するにあたり“リサーチ”として、たくさんのレストランに足を運びました。

――タイラーというキャラクターは、異常なまでに“食”に執着していますが、彼のバックボーンは作中でもあまり語られていません。ホルトさんの中ではどのように考えていますか?

ホルト:タイラーは社会から阻害されていて、常に周囲の人間が自分をどう思うか気になっている人物だと思います。僕の想像ですが、彼はおそらくレストランに関するブログを書いていて、その中でシェフのスローヴィク(レイフ・ファインズ)との関係性を育んでいったのではないでしょうか。けれど、実生活では友人と呼べる人がほとんどいなかった。だからこそ、スローヴィクに執着して、彼のためなら何でもできるような、一種の洗脳された状態になっていったのだと思います。

――タイラーのような過激なファンや、批評家がつきまとう一流レストランは、映画産業に似ているように感じました。作中のキャラクターに共感できる部分はありましたか?

ホルト:この映画に出てくるレストラン「ホーソーン」は、ファッション、音楽、映画などあらゆるクリエイティブな業界に置き換えられると思います。僕としては、どちらかというとキッチンサイドに共感できました。映画のセットにいて、才能あるクリエイターたちと一緒にいる時間が好きなんです。ただ、実際のレストランのキッチンに立ったら、おそらく全て台無しにしてしまうと思います(笑)。

――タイラーはスローヴィクに心酔していましたが、ホルトさんが過去に夢中になったクリエイターはいますか?

ホルト:6歳か7歳の頃に観た映画『マスク』が衝撃的で、ジム・キャリーは当時から僕のアイドルでした。あとは、『ミセス・ダウト』のロビン・ウィリアムズですね。この2人からは、本当に大きな影響を受けました。幸運にもロビンとは実際に会って話すこともできたんです。友人が彼と仕事をしていて、セットにお邪魔させてもらったんですが、とても素敵な時間を過ごすことができました。

――『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の撮影現場で編み物をしていたと聞きましたが、『ザ・メニュー』の撮影期間はどのように過ごしていましたか?

ホルト:最近はローラーディスコに行って、ローラースケートをすることにハマっています。70〜80年代のディスコの雰囲気がとても好きなんです。それから、Onewheelという一輪の電動スケートボードやバスケットボールにも熱中していました。

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