『シュルプ』子が親に託した思いとは? 王妃キム・ヘスが見せる圧倒的な強さ
テ昭容(キム・ガウン)は自分のせいで子の未来が閉ざされることを悲観していた。身分のせいで王子の中で最も優秀な息子のポゴム君(キム・ミンギ)が世子になれないと知り、ユン・スグァン兵曹判書(チャン・ヒョソン)に取引を持ちかける。子の道を作るために危ない橋を渡るのはファリョンも同じだった。だけど全員が正しい道を歩めるとは限らない。平和主義で世間知らずのテ昭容が何もできない自分に何かできることを探したかったのはポゴム君を悲しませたくなかったからだろう。
領議政とも手を組んでいたユン兵曹判書。彼の目的は娘を世子嬪にすることだ。しかも娘のうちの1人ユン・チョンハ(オ・イェジュ)は二男のソンナム大君(ムン・サンミン)に一目惚れをしている。要するにウィソン君(カン・チャニ)、ポゴム君、ソンナム大君の誰が世子になってもありがたい状況だ。ユン兵曹判書が誰を選択するのか気になるところである。
本作には“ウワサが事実となる”というワードが何回か出てくる。つまり世子が毒殺されたというウワサが真実か否かを問うのは無意味なのだ。そのウワサによって得をするのは誰かが重要なのである。外部の薬によって殺されたと話が流れればファリョン、ソンナム大君の命が危うくなる。恐らくソンナム大君は外部の薬が原因でないのを証明するために薬を処方したトジ先生(クォン・へヒョ)のもとへ訪問するだろう。またそれによって毒殺の意図はなかったものの薬を盛らせたファン貴人(オク・ジャヨン)が危うくなるわけだ。
ところでトジ先生は血虚厥の治療歴があったり、世子の重篤に対して因果応報だと言ったり、王室との繋がりを感じている人もいるのではないだろうか。もしトジ先生が火事で死んだはずのユ・サンウク御医だとしたら、20年前のことを知っている者を全員始末した大妃の都合が悪くなる。それだけでなく、このタイミングでファリョンが元孫の足に傷があるのを発見する。ユン王妃が亡くなったテイン世子に対して「血は吐かなかったが体に傷があった」と言っていた。となれば傷は同じものだと考えられる。手口が一緒なら黒幕も同じである可能性は高い。
中盤に向けての攻防戦が激しくなり、そろそろソンナム大君の活躍が見られそうだ。太陽の世子が沈んでしまった今、次に昇るのは月のソンナム大君である。ここからはファリョンそして大切な人たちを支えていってほしい。
■配信情報
『シュルプ』
Netflixにて配信中
(写真はtvN公式サイトより)