『舞いあがれ!』ではどんな家族像が描かれる? 高橋克典、永作博美らが作る岩倉家

『舞いあがれ!』で描かれる家族像を分析

 前作『ちむどんどん』からバトンを継ぎ、早くも始まった朝の連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)。福原遥が主演を務める本作は、東大阪と長崎・五島列島を舞台とし、“空への憧れ”を抱くヒロインの奮闘を描くもの。果たしてどのような、地上と空とを繋ぐ人間ドラマが紡がれるのだろうか。

 『ちむどんどん』がヒロインの家族である比嘉家に最後までフォーカスした作品であったことや、前々作『カムカムエヴリバディ』が3人のヒロインによる“ファミリーヒストリー”であったように、やはり朝ドラの物語の中心になるのは家族だ。今作のヒロイン・岩倉舞(福原遥)を囲む面々について見てみたい。

舞いあがれ!1話

 舞の父・浩太は、ものづくりの街・東大阪にてネジを作る工場を経営している。第1話では娘の舞が見た夢を笑顔で聞く姿と、仲間たちと工場で作業をする姿くらいしか映されなかったが、たったこれだけでも温厚で心優しい人物だというのが十二分に伝わってきた。そんな浩太を演じるのは高橋克典。『サラリーマン金太郎』シリーズ(TBS系)や『特命係長 只野仁』シリーズ(テレビ朝日系)などで広く知られ、朝ドラへの登場は本作が初となる。浩太はかつて飛行機を製作する夢を抱いていたようで、空への憧れを抱く舞とどのような関係を築いていくのか注目である。

 舞の母・めぐみは、長崎県の五島列島出身で、いまは夫と2人の子どもに愛情を注ぎながら、ネジ工場の仕事を手伝う日々を送っている。第1話で分かったのは、舞が熱を出しやすい子どもで、そんな彼女をめぐみは何よりも大切に思っているということだ。短い時間ながらも、この関係性が丁寧に描かれていた。父・浩太もそうだが、舞にはこんなにも心強い味方が身近にいる。物語の進展とともに、この母娘を見守りたいところだ。そんなめぐみを演じるのは永作博美。彼女もまた、意外にもこれが初の朝ドラ出演だ。数々の代表作を持ち、つねに時代をリードしてきた俳優だが、ここでまた新たな顔を見せてくれるのかもしれない。

 ヒロイン・舞の幼少期を演じる浅田芭路といえば、『ちむどんどん』にも登場していた。2作連続での朝ドラ出演だ。まだ9歳にしてそのキャリアはじつに豊富で、永野芽郁主演ドラマ『ユニコーンに乗って』(TBS系)や、広瀬すず主演の映画『一度死んでみた』(2020年)、そして田中裕子主演『おらおらでひとりいぐも』(2020年)でも、それぞれ主役の幼少期を演じている。頼りがいのある子役であり、成長した舞を演じる福原との関係にも注目したい。

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