『ブレット・トレイン』は伊坂幸太郎の原作をどうアレンジした? 監督に聞く制作の裏側
笑いと哀愁が混在しているのが好き
――監督は過去に手がけた『アトミック・ブロンド』や『デッドプール2』でも、復讐や殺人といったダークなテーマを扱いながら、常にコミカルなトーンを残しています。監督の作風に影響を与えた作品や作家はいますか?
リーチ:『ブレット・トレイン』の作風は、僕が好きなものを全部詰め込んだことで生まれたものだと思います。ハードボイルド映画やコメディも好きですし、日本のアニメーションにも影響を受けています。静かな車両での殺し合いだったり、血に染まった手の中にシールが貼られていたり、笑える中にも哀愁漂うものが混在しているのが好きなんです。
――殺し屋が集結する映画で、オープニングの選曲がビー・ジーズ「Stayin' Alive」(女王蜂のアヴちゃんがカバー)なのもとても面白いと思いました。
リーチ:「Stayin' Alive」は、映画全体を表現する曲だと思ったんです。思わぬトラブルに巻き込まれたレディバグが最後まで生き伸びようとする、文字通り「Stayin' Alive」しようとするわけですね(笑)。そして、最初にあの曲を流すことで、観客に楽しい気持ちで映画に入っていってほしかったんです。「この作品なら現実を忘れて楽しめる」と一瞬で分かってもらえるように。もちろん、観る人によっては死人がたくさん出る、悲惨な映画だと捉えられるかもしれませんが(笑)。
――今回、久しぶりに来日されてみて日本の印象は変わりましたか?
リーチ:変わりません。いつ来ても綺麗な国で、来るたびに大好きになります。前回訪れたのは『ウルヴァリン:SAMURAI』のときなので、およそ8年ぶりですが、次に来るときはもっと時間をとって、観光も楽しめたらと思います。
■公開情報
『ブレット・トレイン』
全国公開中
出演:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ザジー・ビーツ、ローガン・ラーマン、マイケル・シャノン、アンドリュー・小路、ベニート・A・マルティネス・オカシオ(バッド・バニー)、福原かれん、真田広之
原作:伊坂幸太郎『マリアビートル』(角川文庫刊)
監督:デヴィッド・リーチ
脚本:ザック・オルケウィッツ
配給:ソニー・ピクチャーズ
公式サイト:https://www.bullettrain-movie.jp
公式Twitter:https://twitter.com/BulletTrainJP
公式Instagram:https://www.instagram.com/BulletTrainJP/