『ブレット・トレイン』北米で2週連続No.1 『トップガン マーヴェリック』驚異の返り咲き
日本国内では『ONE PIECE FILM RED』が猛烈な大ヒットとなっている今、海の向こうでは2022年の夏休み興行が早くも終わりに向かっているようだ。8月12~14日の北米映画興行収入額は約6600万ドルで、今夏の興行としては最も低い金額となった。
週末興行ランキングの第1位は、先週に続き、伊坂幸太郎原作&ブラッド・ピット主演『ブレット・トレイン』。3日間で1340万ドル、前週比-55.4%という数値を記録した。事前の予想より下落率が低かったのが特徴で、デヴィッド・リーチ監督作品としても『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019年)の2週目の下落率(-57.9%)より優れた結果となった。米国興収は5448万ドル、海外興収は6000万ドルで、すでに世界累計興収は1億1448万ドルとなっている。
『ブレット・トレイン』は健闘したが、週末興収が1000万ドルを超えたのは本作のみ。第2位『DC がんばれ!スーパーペット』は717万ドルで、あとはこれよりも低い数字が並ぶのだから、いささか寂しさのあるランキングであることは否定しようもない。通常、ハリウッドの大作興行は8月末まで続くのだが、今年はコロナ禍からの回復状況や製作面の影響が表れた格好だ。
#TopGun: Maverick is back in IMAX, Dolby, and Premium Large Format starting today! See it on the biggest screen possible and get this exclusive collector’s poster! At participating theatres only. While supplies last. pic.twitter.com/asJHxLk1OK
— Top Gun (@TopGunMovie) August 12, 2022
そんな中、やはり特筆すべきは『トップガン マーヴェリック』の進撃ぶりだ。この週末には再び上映館を421館追加し、IMAXやドルビー上映なども復活。メイキング映像を追加した特別版の上映、さらに限定ポスターの無料配布も用意する大盤振る舞いで第3位に返り咲いた。公開12週目ながらファンの支持は根強く、週末興収は715万ドル。北米興収成績は6億7382万ドルで、いよいよ歴代第6位『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)超えまで500万ドルを切った。
第5位『NOPE/ノープ』は週末興収530万ドルを記録し、4週目にして北米興収1億ドルを突破。ジョーダン・ピール監督作品としては『ゲット・アウト』(2017年)、『アス』(2019)に続いて3作連続の大台に乗った。ここまでの推移を見るかぎり、累計興収は前2作に及ばない見込みだが、この週末からはゆるやかに海外興行も始動した。スローな展開によって息の長いヒットとなるか。
なお『NOPE/ノープ』のヒットもあり、ユニバーサル・ピクチャーズは2022年公開作品の総興収が30億ドルを突破した。『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』や『ミニオンズ フィーバー』『バッドガイズ』『ブラック・フォン』などヒット作を連発し、映画館を賑わせてきた成果だが、単年で30億ドル超えを達成したスタジオは2019年以来初めて。これもまたコロナ禍からの復活を象徴するエピソードである。
第8位には先週ご紹介した、A24製作のスリラー・コメディ『Bodies Bodies Bodies(原題)』がランクイン。2週目にして上映館を1284館追加し、3日間で325万ドルを稼ぎ出した。本作は嵐の夜、周囲から隔絶した屋敷で殺人事件が起こるストーリー。ホラー/スリラーのジャンルを利用してSNS文化を批判したと評される本作は、Rotten Tomatoesにて90%フレッシュを獲得した。今後、A24は上映館を2000館規模まで拡大し、さらなるヒットを狙う構えだ。