『岸辺露伴は動かない』第3期のエピソードは? 実写化を成功に導いた高橋一生の原作愛

 高橋一生主演ドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)第3期の放送決定が反響を呼んでいる。

 本作は、荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』に登場する漫画家・岸辺露伴を主人公として実写ドラマ化したシリーズ。相手を本にして、生い立ちや秘密を読み、さらに指示を書き込むこともできる力“ヘブンズ・ドアー”。そんな特殊能力を備えた漫画家・岸辺露伴(高橋一生)が、遭遇する奇怪な事件や不可思議な現象に、女性編集者・泉京香(飯豊まりえ)と立ち向かう物語だ。

 2020年12月に第1期(第1話〜第3話)、2021年12月に第2期(第4話〜第6話)が放送され、大きな反響を呼んだ本作。この度、第3期が今年12月に放送されることが発表されるや否や、ドラマのタイトルや主演である高橋の名前がトレンド入りを果たすなど、その注目度の高さが伺える。人気漫画の実写化は賛否が分かれがちだが、なぜ本作に至っては前向きな声が多いのか。

 その理由を、原作ファンの一人であるライターの渡辺彰浩氏は以下のように語る。

「『露伴がもし生きていたら、こういう動きや表情をするんだろうな』と原作ファンも納得させる高橋一生さんの表現力に尽きると思います。高橋さんのジョジョ愛が結実していて、特に、第4話で露伴が笠松将さん演じる橋本陽馬にトレッドミルで再戦を挑まれた時の表情は秀逸でした。陽馬に得も言われぬ恐怖を抱きながらも好奇心が勝ってしまう露伴の複雑な心境を高橋さんは見事に体現していました。また、乙雅三を演じる市川猿之助さん、大郷楠宝子を演じる内田理央さんなど、各話ゲストのしっかりと作り込まれた演技も実写化を成功に導いた要素のひとつだと思います」

 また、渡辺氏はアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズでもお馴染みの小林靖子が手がける脚本の妙についても指摘する。

「ドラマは、スタンドという原作の専門用語を“ギフト”や“能力”と理解しやすい言葉に置き換えたり、第1期・第2期とも初回の放送で何も知らないキャラクターを露伴邸に訪れさせ、そこで“ヘブンズ・ドアー”という露伴の能力を簡潔に説明したりと、原作未読の視聴者にも配慮されていました。荒木先生ならではの予想もつかない展開を小林さんがリスペクトしつつ、再解釈しながら脚本を作られているからこそ、初見の視聴者だけでなくコアなファンでも楽しめる内容に仕上がっているのだと思います」

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