『ちむどんどん』暢子の妊娠で夢はどうなる? 『なつぞら』でも描かれた仕事と子育ての両立
和彦も「僕は暢子の笑顔が好きだから」と全力で暢子の夢を応援してくれているが、彼が子育てに注力するのは重子(鈴木保奈美)が許さないだろう。それでなくとも、暢子の兄・賢秀(竜星涼)のせいで和彦は仕事を失ったのだから心象が悪い。
思い返せば、ヒロインの妊娠発覚時にその夫が無職という展開は『カムカムエヴリバディ』(2021年後期放送)でも描かれた。同作では、二代目ヒロインのるい(深津絵里)が、トランペットが突然吹けなくなった夫・錠一郎(オダギリジョー)の療養も兼ねて京都に移住。回転焼き屋を開業するも、錠一郎は不器用で何もできず、1人でお店を切り盛りしている最中に妊娠が分かる。
どうやって出産までの日々を過ごしたかは詳しく描かれていないが、生活費のことも考えれば、きっとギリギリまで働いていたのだろう。その後2人の子どもが産まれ、回転焼き一本で家族を養うるいの肝っ玉母ちゃんぶりに驚く声も挙がっていた。
和彦の場合は無職とはいえ、記者時代のツテも利用して仕事を得ることは十分可能だろう。一方で、暢子はすでに物件を契約済みであり、賃料が発生する。もしオープン延期となった場合、その間の賃料を独立したばかりの和彦が払えるとは到底思えない。結果的に暢子は開業自体を諦めるか、それとも誰かの力を借りてお店をオープンさせるかの二択を迫られるはず。どちらを選んだとしても、その結果は世の母親たちが励まされるようなものであってほしいと願う。
■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK