コラボ供給で“箱推し”不可避? 中村倫也、松坂桃李、菅田将暉らトップコート俳優を大解剖

 映画やドラマを愛するファンにとって知らぬ者はいない存在といっても過言ではない、芸能事務所トップコート。人気と実力を兼ね備えた俳優陣が多数所属する同社は、会員サイト「トップコートランド」にて多彩な自社コンテンツを企画・運営している。

 8月20日に開催される配信イベント「トップコート夏祭り2022」も、そのひとつ。昨年行われた「トップコートランド夏祭り2021」は、所属芸能人総勢29人が登場。まさに“祭り”にふさわしい盛り上がりを見せた。

 リアルサウンド映画部では、「トップコート夏祭り2022」開催を記念し、トップコートの魅力に迫る特集企画を実施中。本稿では「トップコート俳優大解剖」と題し、俳優陣にフォーカスを当てる。

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木村佳乃、中村倫也、佐々木希、杏、松坂桃李、菅田将暉ーー。人気俳優が多数所属する芸能事務所トップコート。会員制サイト「トップコー…

 まずは基本情報から。2022年8月現在、トップコートに所属する俳優(アーティスト)は25人(うちU-15は4人)。木村佳乃、中村倫也、佐々木希、杏、松坂桃李、菅田将暉、趣里、杉野遥亮といった面々に加えて、直近では『キングダム2 遥かなる大地へ』や『異動辞令は音楽隊!』(8月26日公開予定)の清野菜名、『流浪の月』で広瀬すず演じる主人公・更紗の幼少期を演じて話題を集めた白鳥玉季らが加入。

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10月14日に公開される清野菜名と松坂桃李のW主演映画『耳をすませば』の第2弾ティザービジュアルと場面写真が公開された。  1…

 余談だが、清野は松坂桃李との共演映画『耳をすませば』(10月14日公開予定)が控えており、『流浪の月』には松坂と趣里が出演している。こちらは出演後に移籍した形だろうが、トップコート俳優同士の共演はかなり密に行われている印象だ。

 例えば現在放送中の中村倫也主演ドラマ『石子と羽男 ~そんなコトで訴えます?~』(TBS系/以下『石子と羽男』)には、ゲスト俳優で木村佳乃や趣里が出演。2016年公開の中村の主演作『星ガ丘ワンダーランド』には中村、佐々木希、菅田将暉、杏、木村佳乃が出演。公開当時にはトップコート所属ではなかった出演者もいるものの、いま観るとまさに“トップコート祭り”を楽しめる。

 このように、映画・ドラマ・舞台・CM・ラジオ等々、フィールドを問わずに共演の機会が多いトップコート俳優陣。こうした“つながり”があるからこそ、トップコートという事務所を「箱推し」するファンも多い。中村・松坂・菅田が「トップコート3兄弟」と呼ばれるのもその表れだろう(2020年には、菅田×中村の楽曲「サンキュー神様」のMVで3兄弟が共演)。

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 つまり、トップコートの箱ファンにとっては、俳優陣一人ひとりの活躍はもちろんのこと、トップコート俳優同士の絡みを日常的に楽しめるというわけ。こうしたある種の“文化”を根付かせたところに、トップコート夏祭りに代表される強力な自社コンテンツを供給する上手さも秀逸だ。俳優単体の“沼”から、事務所の“沼”にハマり、推しが増えていくという構造――。トップコートが単なる事務所の名前だけでなく、ブランドとして浸透している理由もここにあるのではないか。

 ただ、こういったアプローチが可能なのは、やはり俳優陣の実力が強力であるからに他ならない。人気を兼ね備えた演技巧者が集えば、セッションにも付加価値が付き、作品のクオリティも高まるというもの。スター同士の見ごたえあるコラボレーションが、自社俳優でまかなえる充実度。逆に言えば、いわゆるバーター的な領域を優に超えて、質も話題性も自社俳優同士のコラボで提供できる点に、トップコートの大きな強み(ブランド力)がある。

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