1人2役、3役は当たり前? 渡邊圭祐、Koki,、林遣都らの出演作から探る“演じ分け”の妙
ここ最近で“1人2役”を演じた俳優を数名ピックアップしてみたが、一つの作品内で異なるキャラクターを演じるというのはやはり簡単ではないだろう。その差異の大きさや変化のカタチによっては、作品そのものがリアリティを失いかねない。だからこそこれを正確に表現するには高い技術が必要なのだ。とはいえ、どんなキャラクターにも少なからず多面性があるものだ。
例えば、私たちは接する相手によって態度を変える。家族や友人、仕事仲間に恋人など、相手との関係性に合わせて誰もが自らを変化させるはずだ。そしてこの全部をひっくるめて、「私」や「あなた」は成り立っている。すべての人間に対してまったく同じ態度で接していれば、たちまち社会生活は破綻してしまう。これを物語の中のキャラクターやそれを演じる俳優に置き換えてみると、一人の人間の“繊細な多面性”を演じることができない者には、当然ながら“1人2役”は務まらないことが分かるだろう。
遠回しの言い方になるが、“1人2役”をモノにできる俳優というのは、一人の人間の役をきちんとモノにでき、かつ演技者として高い水準にあるということだ。こういった俳優の演技の細部に注目してみると、映画もドラマも演劇も、さらに奥深いものになるはずである。
※Koki,の「o」はマクロン付きの「o」が正式表記。
■公開情報
『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』
公開中
出演:山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、本郷奏多、黒島結菜、渡邊圭祐、寺田心、内山信二、大貫勇輔、ロン・モンロウ、水石亜飛夢、奥貫薫、高橋努、堀内敬子、丸山智己、遼河はるひ、平岡祐太、山田裕貴、麿赤兒、大和田伸也、舘ひろし、藤木直人、山本耕史、筧利夫、杉本哲太、栗山千明、風吹ジュン、佐藤隆太、仲間由紀恵、新田真剣佑、内野聖陽
原作:荒川弘『鋼の錬金術師』荒川弘(『ガンガンコミックス』スクウェア・エニックス刊)
監督:曽利文彦
脚本:曽利文彦、宮本武史
企画・制作プロダクション:OXYBOT
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作:映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会
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