子役出身のヨ・ジングとムン・ガヨンが“大人”の再共演 感情がリンクする『LINK』での好演

「冷蔵庫は意外と多くを語る」

 意味深なセリフではじまる『LINK:ふたりのシンパシー』。ヨ・ジング演じるカリスマシェフのウン・ゲフンは、双子の妹と感情がリンク(共有)する過去を持つ。妹は18年前に行方不明となり、その後、感情のリンクが起きることはなかった。そんなある日、突然ゲフンは感情のリンクを体験し、リンク先の感情の持ち主を探す。探しあてた感情の持ち主は、ゲフンの妹が行方不明になった町に住んでいた。新たに感情が繋がるようになった女性、ムン・ガヨン演じるノ・ダヒョンと、なぜ感情がリンクするようになったのか。18年前、妹の身にいったい何が起きたのか。過去と現在、怪しい町の人々と、ゲフンとダヒョンが繋がる先にあるものとはーー。

 熱狂的な第4次韓流ブームの立役者『愛の不時着』や『二十五、二十一』のスタジオドラゴン制作に加え、『幻の王女チャミョンゴ』『名家』以来のヨ・ジング、ムン・ガヨン共演作品だ。

 “オープニングの作りが良いドラマにハズレなし”が持論の筆者なのだが、この作品のオープニングもその通りだと言いきりたいワクワクを誘う作りだ。灯りの消えた暗い町に青の線が入ってくる、後を続く赤い線が追いかけ寄りそい絡まり合い、町の中を進んで行く。線が触れた場所には灯りが燈る。

 感情のリンクを表すステレオのチューニング部分はFM/AMと分けられてあり、周波数の部分にはHappy(幸せ)、Fury(激怒)、Angry(怒り)、Gloomy(暗い)、Shame(恥)、Funny(面白い)、Sad(悲しい)、Chill(冷気)、Worry(心配)、Tired(疲れた)、のメモリなのだ! 合わせる部分の文字は「Tingle(チクチク)」。ハートに感じるチクチクした感じを表現する、この凝ったディテール。時間にしてわずか2秒ほどのあっという間に過ぎる部分なのだが、こんなところにまでこだわるのかと嬉しくなる。スタッフの演出にかけるクリエイター魂を受け取っていただくべく、ぜひ目を凝らして観てもらいたい。

 美しい映像、おとぎの世界に誘うような音楽、“TUNING”の文字、色鮮やかな食材とそこに突如差し込まれる手、古いテレビ画面の中に映る少女と、少女に近づく赤い目をした狼の影。韓ドラでよく使われるグリーンライトに赤いライトが木の上に2本、オープニングのラストはラプンツェルを思わせる塔に閉じ込められている少女を救う少年……。この作品の全てが詰め込まれているような、高まる期待のまま冒頭にご紹介したセリフ「冷蔵庫は意外と多くを語る」がくる。なんというセリフ! まさにその通り! と筆者の脳内会話は盛んになる。

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