『ちむどんどん』原田美枝子、47年ぶりの朝ドラで活躍 黒島結菜の手本となる存在に
NHK連続テレビ小説『ちむどんどん 』第6週、上京したヒロインの暢子(黒島結菜)に個性的なキャラクターたちとの刺激的な出会いが待ち受けていた。
暢子が上京初日にはランチ客として、さらにその翌日には「ここで働かせて下さい」と志願するシェフ見習いとして訪れた運命的な場所が銀座のイタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ」。そしてその城のオーナーが大城房子(原田美枝子)だ。洋風の店構えにも合うおしゃれで粋な着物姿と髪型が目を引く。そしてその落ち着き払った風格、背筋のピンと伸びた美しい立ち姿、どこかピリッと緊張感を与える空気感と佇まい、相手に有無を言わさぬ貫禄はまるで“女帝”さながら。従順な料理長・二ツ橋光二(高島政伸)はじめ、ほかの料理人たちからも彼女に寄せられている厚い信頼感と敬意がひしひしと伝わってくる。
戦前からのたたき上げの料理人で、家庭の匂い、生活臭は一切寄せ付けず、その抑揚を抑えた語り口からも彼女がこれまで乗り越えてきたのだろう試練の数々が滲む。働く女性が珍しかった当時、“東京で一番の西洋料理店”のオーナーにまで上り詰めた彼女の過去や人知れず抱えてきたに違いない苦労も気になるところだ。
さらに、今回暢子に働き口として「アッラ・フォンターナ」を紹介した横浜・鶴見の沖縄県人会会長の平良三郎(片岡鶴太郎)との間にも何かしらわだかまりのようなものを抱えていそうな、微妙な距離感を感じさせる。“大城”という名字に暢子は思わず沖縄人かと尋ねるも、「ここではどこの出身か関係ない」と一蹴されてしまっていた。第29話では、暢子が持つ賢三の名が記された包丁をじっと見つめる姿もあった。今後、彼女と沖縄の繋がり、もしかすると比嘉家との関わりも明かされるかもしれない。