圧倒的なバレエ描写に釘付け 『ダンス・ダンス・ダンスール』の“本物”へのこだわり
4月より放送が始まっているTVアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』。この作品が今、密かに注目を浴びている。原作漫画を手掛けたのは人気漫画家・ジョージ朝倉。「男子バレエ」を題材に描かれる、少年少女の青春の物語だ。
バレエという世界故に少しとっかかり難さを感じる人もいるかもしれないが、世界観が丁寧に描かれているおかげかバレエの世界を知るきっかけにもなる。この素敵な作品を紹介したい。
原作者であるジョージ朝倉は『溺れるナイフ』『ピース オブ ケイク』『恋文日和』など多数の映像化作品をもつ人気漫画家。そんなジョージ朝倉原作の中で、本作『ダンス・ダンス・ダンスール』は初のテレビアニメ化作品である。
物語は、幼い頃にバレエに魅了された主人公・村尾潤平(CV:山下大輝)が、父の死をきっかけにバレエの道を諦め、格闘技を習い「男らしく」「かっこよく」生きることを目指しながらも、バレエへの未練を断ち切れないでいるところからスタートしている。
ジョージ朝倉は自分の子供が通うバレエ教室に、男の子がいたことをきっかけに「男の子がバレエを習うメンタリティ」に興味を持ったと本作の創作にいたった出来事を単行本第1巻発売時に公表していた。
ダンス・ダンス・ダンスール アニメ放映まであと9日!
スペシャル特番は明後日深夜25:25!
23集発売は今日より発売!!!
お得3集パックもハガキ付きで発売!写真は一巻発売時に某店舗限定で封入したペーパーです!持ってる方いらっしゃるのかな?
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/PVEi7S8JLx— ジョージ朝倉 (@george39asakura) March 30, 2022
女の子のイメージがあるバレエの世界を“男の子のバレエ”という着眼点から「どのようにして思春期を乗り越えるのか……」そんなジョージ朝倉自身の想像の世界から『ダンス・ダンス・ダンスール』という作品が生まれたのだ。
バレエシーンをアニメーションにすることに関して、素人ながらにかなりのハードルを感じたが、そんな不安を感じさせないのがアニメーション制作を担当するMAPPAという存在の大きさだろう。
『呪術廻戦』や『進撃の巨人(第4期・The Final Season)』など、多くの話題作を制作してきたのがMAPPA。さらに、今回の『ダンス・ダンス・ダンスール』に親しいジャンルとも言える、フィギュアスケートを題材にしたアニメ『ユーリ!!! on ICE』も手掛けている。
『ユーリ!!! on ICE』制作の際には、スケーティングシーンの作画のために、プロのスケーターによる実演をモーションキャプチャーとして撮影していたことが話題になっていた。今回もバレエの演技シーンは本物のバレエダンサーによるモーションキャプチャーを撮影したうえで作画が行われている。
モーションアクターを演じているのは井福俊太郎、秋元康臣、秋山瑛、足立真里亜といった、創立50周年を越えた長い歴史を誇るバレエカンパニー「東京バレエ団」のトップクラスのダンサー。本格的なバレエシーンが描かれる秘訣は、本物の演技にこだわるからこそのモーションキャプチャーという技法によるものだろう。モーションキャプチャーのおかげで、ジャンプや回転技、演技中の筋肉の動きや呼吸など一つひとつの細かい動作を本物の動きそのままに作画に落とし込まれている。そのおかげか、アニメーションになった時、バレエのシーンはより一層作品の中に引き込まれるような印象がある。