『村井の恋』高橋ひかるのマイルールは? “推される立場”だからこそ大切にしたいこと
TBSの新しい深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」。その1作目となる高橋ひかる主演ドラマ『村井の恋』が現在放送中だ。
島順太による同名漫画を原作とした本作は、乙女ゲームの“推し”キャラクターに本気で恋をする教師と、その教師に恋をして猪突猛進にその感情をぶつける男子生徒の恋愛模様を描いたラブコメディ。
“推し”に恋する教師・田中に扮した高橋に、本作の反響や田中というキャラクターを演じるにあたって意識した点を聞いた。(編集部)
座長として意識した「誰よりも長く現場にいること」
――SNSなどで、意外だった反響や嬉しかった感想はありましたか?
高橋ひかる(以下、高橋):私は、自分のことをどちらかというと“カッコいい寄りの顔”だと思っていたんですけど、SNSに「かわいい系の顔の人だけど、鉄子できるの?」といった声があったんです。でも、放送された時には「最初からバリバリ鉄子だった!」というリアクションがあって、良かったなと思ったし、「やったぞ!」って嬉しかったです(笑)。
――きっと、すごく緊張しながら初回放送を迎えられたんじゃないかなと。
高橋:ハラハラしましたね。ただ、クランクインから放送開始までがわりと早かったので、みなさんの意見を反映できたような気もしていて。連動できるスピード感はよかったなと思います。
――座長として、どんなことを意識されていましたか?
高橋:ずっと現場にいる(笑)。スタンバイ中って待機されていたり、次のシーンの確認をされたりする俳優さんが多いと思うんですが、スタンドイン(※本番に備えて、照明の調整などのためにいる代役)も全部自分でやる、みたいな。そうすることで現場の空気感を感じられるし、コミュニケーションも取れるので。誰よりも長く現場にいることを大切にしていました。でも、宮世(琉弥)さんをはじめ共演者のみなさんが明るいので、何も考えなくても話しかけてくれて(笑)。私も先生役ではありますけど、カメラが回っていないときは“みんな学生”という感じでワチャワチャしながら喋っていましたね。
――生徒役の作品が多い中、教師役というのは新鮮な気がします。
高橋:ちょうど同時期に生徒役の作品も公開されていたので、最初は「教師ですか!?」と戸惑いもありましたが、新任教師ということでリアルではあるのかなと。幅広くお芝居させてもらう機会をいただけて嬉しいなと思いつつ、生徒役に同い年で同じ事務所で同じコンテスト出身の鶴嶋乃愛さんがいたり、年上の(伊藤)あさひさんや曽田(陵介)さんがいたり……お互いに「不思議だね」と笑いながらやっていました。
――教師役を演じる上で難しかったことも聞かせてください。
高橋:村井役を演じる宮世さんの容姿が大人びているんです。だから、並んだ時に村井のほうが大人っぽく見えたらどうしようってドキドキしてたんですが、お互い意思が強い役柄なので、意外と負けず。田中も性格的には幼いところがあるので、それはそれで利用していこうと思っていました。
――全体を通して、コメディを演じるという点についてはいかがでしたか?
高橋:映画『おそ松さん』ではじめてコメディにチャレンジさせてもらったんですが、短いスパンで『村井の恋』も決まったので、はじめは「どうしよう」と少し悩みました。(『おそ松さん』で演じた)トト子とは違って、自分からアクションを起こしていかなきゃいけない役なので、走り方がちょっと硬かったり、とっさに出る動きがちょっと気持ち悪かったり、無表情から急に表情が変化したり。ドラマ自体のテンポがいいので、そのテンポに合わせて表情や動きを感情と共に出すのが難しくもあり、面白くもありました。監督からは「もっとキレよく」と言われることが多かったので、キレの良さを意識して。それから、声をいつもより低くしてみたり、ちょっとデフォルメした表現をしてみたりもしました。