ジョニー・デップとアンバー・ハードの裁判のハイライトを解説 3週間経過も水掛け論に?

 アンバー・ハードが、元夫で俳優のジョニー・デップに名誉棄損で訴えられている裁判が4月11日(アメリカ現地時間)に始まってから3週間が経過した。これまでのハイライトに注目してみたい。

 今回の裁判は、2018年12月にハードが家庭内暴力の犠牲者だったことをWashington Postに寄稿したことに端を発する。その社説でハードは名前こそ出さなかったものの、加害者がデップだと示唆していたことは明白で、2019年3月にデップがハードに対して5,000万ドル(現為替で約65億円)の損害賠償を求める名誉棄損の訴訟を起こした。

 この訴えに対し、ハードはデップから嘘つきのレッテルを貼られたとして名誉毀損で逆提訴し、1億ドル(約130億円)の損害賠償を求めている。ハードの弁護を務めるエレイン・ブレデホフトは、ハードが書いた社説はアメリカ合衆国の憲法修正第1条で保護されているとし、デップがハードに身体的・性的虐待を加えた証拠もあると主張。対して、デップの弁護士であるカミーユ・ヴァスケスは「ハードが復讐に燃えている」と非難し、「ハードが一世一代のパフォーマンスを披露する準備をしている」と述べ、米バージニア州フェアファックス郡の巡回裁判所にて、すでに泥沼と化している裁判の火蓋が切って落とされた。

アンバー・ハード(写真提供=REX/アフロ)

 裁判の初日にはハード側のブレデホフト弁護士が、2015年にオーストラリアでデップとハードの間に起こった3日間にわたる“人質”疑惑事件に言及。弁護士は、デップがハードをホテルの部屋にあるバーに閉じ込め、酒のボトルなどを投げつけた挙句、割れたボトルが散乱する床の上でハードを引きずり回したと述べた。さらにデップが、殴る蹴るの暴行をハードに加えたうえに暴言を吐いたと主張。対するデップは、ハードがプラスチックの携帯電話を自分に叩きつけた際、手指の骨が見えるほどの怪我を負ったと反論。「大きなアコーディオンにぶつけて怪我をしたと病院で嘘をついたのは、ハードさんをトラブルに巻き込みたくなかったからです」と説明し、ミュージシャンでギタリストでもある自分が、自身の指を傷つけることなどしないと主張していた。

 別の日の裁判では、デップに暴力を振るわれたとするハード側の言い分に対してデップが、「いかなる形でもハードさんを殴るに至ったことはなく、人生で一度も女性を殴ったことはありません」と述べていたのこと。

 そして、裁判の3日目には2人の結婚カウンセラーとしてセラピーを担当した臨床心理療法士のオーレル・アンダーソンが召喚され、「2人は“相互虐待”の関係に陥っており、お互いに暴力を振るっていた」と証言している。

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