『ちむどんどん』“アババ”を通して学ぶ「いただきます」の大切さ 作品を貫く重要回に

『ちむどんどん』が描くいただきますの大切さ

「綺麗にきちんと食べてあげる、それが筋を通すということ」

 当たり前だけど、一番大切なこと。大人になっても、ちゃんと私たちは「いただきます」ができているだろうか。深く意義のある教訓を受け、子供たちは「残さず食べよう」「美味しいね」と箸をすすめる。「じゃあアベベは正月に食べるの?」という歌子のオチは痛快そのものだが、その言葉を考えるとこの日、史彦と和彦を招いたことは比嘉家にとってそれくらい大切だったということも意味している。

 その甲斐もあって、二つの家族の距離は急速に縮まった。子供たちは文通をはじめ、一緒に遊びに行く。美しい音色が背景に流れながら映される川遊びの様子はノスタルジックで、子供時代の記憶を呼び起こす。しかし、こんな日々もずっと続かないことがわかった。和彦が再び東京に帰ってしまうのだ。しかも、中学を卒業したらアメリカに留学したいと言う。

 「もっと広い世界が見たい」と言う和彦に、暢子は「うちも世界中の美味しいものが食べてみたい」と返す。その会話を聞いていた史彦が「今度の日曜日、レストランに行ってみる?」と比嘉一家を那覇の少し良い感じのレストランに招いた。沖縄料理の味しか知らない暢子にとってこの食事は、彼女の将来に大きな影響を与える “世界の味”との、運命の出会いとなるかもしれない。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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