『蜘蛛女のキス』やMCU出演のウィリアム・ハート、71歳で死去 マーク・ラファロも追悼

俳優ウィリアム・ハートが71歳で死去

 『蜘蛛女のキス』(1985年)や『愛は静けさの中に』(1986年)など、数々の作品に出演してきた俳優のウィリアム・ハートが3月13日(アメリカ現地時間)、米オレゴン州ポートランドの自宅で亡くなった。71歳だった。

 ハートの息子ウィル氏は、「2022年3月13日、父の72歳の誕生日1週間前に、最愛の父でありオスカー俳優であるウィリアム・ハートを失ったことを、私たち家族は大変悲しく思っています。父は家族に囲まれながら、自然死で安らかに息を引き取りました」と声明を発表している。

 米ワシントンD.C.で生まれたハートは、演技を学び、舞台での経験を積んだあと、1980年にケン・ラッセル監督によるSF映画『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』でスクリーンデビュー。その後、『白いドレスの女』(1981年)や『再会の時』(1983年)などに出演し、俳優としてのブレイクを果たす。1985年の『蜘蛛女のキス』では、アカデミー賞主演男優賞を受賞したほか、カンヌ国際映画祭男優賞を受賞するなど、数々の映画賞を受賞した。その後も、『愛は静けさの中に』、『ブロードキャスト・ニュース』(1987年)で、アカデミー賞主演男優賞に連続ノミネートされるなど、輝かしい功績を残してきた。

 ハートはそのほか、『A.I.』(2001年)や『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005年)など数々の作品に出演し、2008年の『インクレディブル・ハルク』で、サディアス・“サンダーボルト”・ロス将軍役として出演を果たした以降、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)、『ブラック・ウィドウ』(2021年)のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品に登場したことでも知られている。

 ハートの訃報を受け、業界の著名人やファンからは、多くの追悼コメントが捧げられた。

 『ブロードキャスト・ニュース』で、ハートと共演したアルバート・ブルックスは、「ご冥福をお祈りします。彼の訃報を聞いてとても悲しいです。『ブロードキャスト・ニュース』で彼と共演できたことは、素晴らしいことでした。とても寂しいです」と追悼の言葉を述べた。

 『アベンジャーズ』シリーズのブルース・バナー/ハルク役などで知られるマーク・ラファロは、「俳優界にとって、また大きな損失です。彼は偉大な俳優であり、偉大な人物でした。安らかにお眠りください」とコメント。

 『スター・トレック』シリーズのヒカル・スールー役などで知られるジョージ・タケイは、「俳優ウィリアム・ハートの訃報を知り、悲しみに暮れています。彼は『蜘蛛女のキス』でオスカーを受賞し、『ブロードキャスト・ニュース』で笑みを浮かべ、『偶然の旅行者』で私たちの心を奪ったのです。世界にとって大きな損失です。安らかにお眠りください」と述べた。

 2011年の『Too Big To Fail(原題)』で、ハートと共演したトファー・グレイスは、「ウィリアム・ハートと一緒に仕事ができた機会に感謝しています。彼の演技は尊敬に値し、彼の献身的な姿は素晴らしいものでした。彼のご家族に心よりお悔やみ申し上げます」と、ハートを悼んだ。

 また、『スパイダーマン』シリーズのJ・ジョナ・ジェイムソン役などで知られるJ・K・シモンズは、「私はいつも彼を信じていました。私にとって、俳優としての究極の目標であると思っています。彼がいなくなるのはとても寂しいです」と、ハートのキャリアに刺激を受けたことを述べている。

 そのほか、ネット上では「ロス長官……早すぎるよ……」、「今後の活躍も楽しみにしていたのに……」、「悲しいけれど、素晴らしい映画をたくさんありがとう……」など、ハートの突然の訃報を悲しむ声が多数挙がっている。

参照

William Hurt, Star of ‘Body Heat,’ ‘Kiss of the Spider Woman’ and ‘Broadcast News,’ Dies at 71
William Hurt, Oscar-Winning Actor for ‘Kiss of the Spider Woman,’ Dies at 71
'Too young to be saying goodbye': Mark Ruffalo, Stephen King, J.K. Simmons mourn William Hurt

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