『DCU』隆子(中村アン)の命を奪った犯人が判明 悲劇は大きな事件の序章に過ぎなかった
DCUはDeep Crime Unitの略である。海上保安庁に新設された潜水特殊捜査隊は、水中の捜査を得意とするだけでなく、隠された犯罪の深層を探り当てる。『DCU』(TBS系)第4話。隆子(中村アン)の死は、大きな事件の序章にすぎなかった。
新名(阿部寛)に代わってDCU隊長代理となった西野(高橋光臣)は、瀬能(横浜流星)に隆子の事件から手を引くように伝える。「仲間の死を弔えないDCUにいるつもりはないです!」。海上保安官の証票を突きつけ、出ていく瀬能。隆子が残した隠しファイルから、不法出国したテロリストであるロペス(フェルナンデス直行)と潜水機器メーカー・アクアディープ社長の月島(六角精児)のつながりを知り、二人が2年前の溺死事件に関与していたのではないかと考える。
瀬能は新名と合流し、シルバ(エレナ・アレジ・後藤)からの事情聴取で、隆子が海保の情報を集めるロペスのターゲットになっていたことをつかむ。DCUに復帰した新名は、隊員たちに隆子の弔い合戦をすると宣言。瀬能は手段を選ばない新名に反発しながらも、チーム一丸となって犯人逮捕に総力を挙げる。隆子の命を奪ったのは意外な人物だった。全力疾走の瀬能のチェイスに逃げ切れないと悟り、スマホを海に投げ込む真鍋(角田晃広)。PTSDによって水に恐怖心を抱いていた瀬能は、思わず足がすくんでしまう。瀬能に過去を乗り越えさせたのは、生前の隆子との思い出だった。
陸上の捜査が主体となった第4話でも、事件解決の鍵になったのは水だった。「水は全てを知っている」と新名が語ったように、海に精通した漁師たちの情報網と琴ヶ浜の砂が真相解明を後押しした。「地に倒るる者は地によりて立つ」ではないが、水上で失われた隆子の死の真相は水辺に残されていた。「隆子さんが俺をまた海に戻してくれた」と瀬能。水への恐怖は隆子のために水に潜ることで上書きされた。