山田裕貴、志尊淳、瀬戸康史らの“帰る場所” 俳優集団D-BOYSが培った個性と存在感
山田裕貴、志尊淳、瀬戸康史らを輩出している俳優集団D-BOYS。2004年に結成されたワタナベエンターテインメントに所属する男性若手俳優によるユニットだが、言わずもがな大活躍中の彼らや、過去在籍していた城田優はここでルーツを共にしている。D-BOYSとして定期的に舞台公演を行っており、2017年頃からは実質活動休止状態になっているが、各々のメンバーは引き続き、映画やドラマ、舞台と話題作に引っ張りだこだ。
山田裕貴
まず何と言っても、月刊情報誌『日経トレンディ』(日経BP社)が選ぶ「2021年 今年の顔」に選ばれた山田裕貴。連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)の出演をきっかけにお茶の間の認知度を一気に上げ、『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)で演じたサイコパス・頼田朝日役で強烈な印象を残す。そこから一転、ミステリアスで寡黙、人との距離感にも慎重な高柳先生を好演した『ここは今から倫理です。』(NHK総合)では、その演じ分けの振れ幅を見せつけた。映画『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』で演じた聴覚障害のあるテストジャンパー役という難役の熱演も記憶に新しい。
映画『東京リベンジャーズ』でのドラケン役でも、また『志村けんとドリフの大爆笑物語』(フジテレビ系)での国民的コメディアン・志村けん役でも、男性ばかりの集団内でポジションを確立し、存在感を発揮できる山田の特性が存分に生かされていた。それは常に自分自身が芝居でどこまで変貌を遂げられるのか楽しみながら試している節もあるような山田自身の自分への挑戦心から来ているようにも思える。
また、その企てゆえの“ただものではなさ”が、集団の中にあっても彼の演じるキャラクターが周囲と調和しながらもどこか異端な所以ではないだろうか。そして、D-BOYSとして舞台公演を重ねてきた経験が、現在の活躍にはもちろん、集団の中にあっても個を生かし切ることができる素養に繋がっているのかもしれない。もちろん集団としてのユニット感をきちんと醸成できているのも、D-BOYSで仲間と切磋琢磨してきた彼ら自身の実体験と紐づいている部分があるのだろう。