『おかえりモネ』から『カムカム』へ 近代を描く朝ドラの中でコロナ禍はどう扱われる?

『カムカム』はコロナ禍をどう描くのか

 年明けから新たに愉快な登場人物が増え、「安子編」とは変わって青春群像劇のような雰囲気が増した本作。これから、るい(深津絵里)が宇宙人ことジョー(オダギリジョー)のことを知っていき、彼の周辺にある人間関係に巻き込まれていく予感がする。本作は3世代のヒロインの生き様を描く100年のファミリーストーリーとなっており、るいの娘にあたる3人目のヒロインを川栄李奈が演じると発表された。1月3日に放送された回で、18歳のるいがデートで観た映画が『椿三十郎』だったことから、その公開年1962年前後が現時点の舞台であることが窺える。そして「安子編」が1925年からはじまっていることを考えると、もしきっかり100年の物語にするのであれば、最終回は2025年となるわけで、『おかえりモネ』と同じ“未来”を描くことになるのだ。

 コロナウイルスの蔓延が始まった2020年、るいは推定76歳。もし『おかえりモネ』のようなリアルな医療現場の描写が挟まれてくるとすれば、重病化リスクの高い年齢である。もしその時まで安子(上白石萌音)が健在であれば、彼女はなおさらだ。もし入院などしていれば、面会もままならない状況になっているかもしれない。

 果たして、『カムカム』はこのコロナ禍に触れるのだろうか。触れるとしたら、どこまで、どのように触れるのか。次に控えている『ちむどんどん』が2022年前期放送予定ということなので、おそらく半年後には最終回を迎える『カムカムエヴリバディ』。その最終話で描かれる“未来”、そしてそれが放送される頃の“未来”が、私たちが今よりも安心して生きられる世の中になっていることを、新年の願い事としたい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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